「老人ホームに入れるのは親不孝?」「自宅で介護が当たり前?」ーー。いま一度考えたい親の「高齢者施設への入居」どうする問題

✎ 1 ✎ 2
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』
(画像:『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』)

住み慣れた自宅がベストとは言い切れない

「住み慣れた我が家が一番いい」と考える人は、親世代だけでなく子ども世代にも多いかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。

その家に住み始めたのが数十年前であれば、働き盛りの頃から住んでいる家が、高齢期にも住みやすいかは疑問です。部屋数は多く、数十年分のモノがあふれ、収納場所は使いにくく、段差や階段もあるでしょう。

消費者庁の調べによると、転倒事故の約半数は住み慣れた自宅で起きています。室内に変化はなくても住む人の体が動きにくくなっているので、今まで問題のなかった小さな段差や電気のコード、床の滑りやすさなどをかわすことができないのです。

ひとり暮らしの場合なら、救急車を呼ぶことさえできない場合もあります。

車がないと不便な場所に住まいがある場合には、外出の機会も急激に減るでしょう。親しいご近所さんだって同世代、接点は減り始めます。

コミュニケーションの減少は、認知症のリスクを高めるとも言われています。在宅のまま、ピンピンコロリで亡くなるのは確かに理想です。でもそれは、努力だけでなんとかなる問題ではありません。

私が見る限り、最期まで「住み慣れた家」で過ごせる人は、よほど運がいいか、子どもが負担を背負ってくれている人です。私たちはもうそろそろ、「住み慣れた家信仰」を手放してもいい時期です。

年齢に応じた住まい方を、改めて考えてもいいのではないでしょうか。

【あわせて読む→】遠距離で両親を在宅介護→「限界」に直面した漫画家の実体験。「老人ホームを探そう」と決断するまで。施設を見学して初めてわかったこと
マンガで解決 老人ホームは親不孝?
『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』(主婦の友社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
上大岡 トメ イラストレーター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かみおおおか とめ / Tome Kamioooka

東京生まれ横浜育ち。東京理科大学工学部建築学科卒。建設会社を経てイラストレーターに。一級建築士、講道館柔道初段、日本ヨーガ瞑想協会登録教師。著書にミリオンセラー『キッパリ! たった5分で自分を変える方法』『のうだま1、2』(池谷裕二氏と共著)、『日本のふくもの図鑑』『老いる自分をゆるしてあげる』など多数。

この著者の記事一覧はこちら
畠中 雅子 ファイナンシャルプランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はたなか まさこ / Masako Hatanaka

「高齢期のお金を考える会」代表。

2002年から始めた高齢者施設の見学は300回を超えるなど、高齢者施設への住み替えについてもくわしく、アドバイスなどを行っている。新聞、雑誌、WEBの記事執筆や、講演会など活躍中。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事