遠距離で両親を在宅介護→「限界」に直面した漫画家の実体験。「老人ホームを探そう」と決断するまで。施設を見学して初めてわかったこと

「在宅介護はもう無理!」と感じた体験談
■2年間の老老介護で母がもう限界に
父は73歳のときに脳梗塞で半身不随になった。リハビリもうまくいかず、施設入居を提案されても拒み、結局は在宅介護になった。2年間の在宅介護をしたが、母も高齢になって限界を感じた。それでも入居をいやがり、介護する母や私への感謝もない。
「これ以上、父の介護はできない」と決めたとき、特別養護老人ホーム(特養)に当選。本人には「ショートステイするだけ」と伝えて無理やり入居。今だに「いつ帰れるのか」と文句を言っている。
[ともみんさん/54歳]
■エアコンを消して熱中症で救急搬送
認知症のせいで、真夏の暑い日でもエアコンを消してしまう母。ある週末、訪ねていくと足元がおぼつかなく、体を触ると熱い。熱中症の症状だと気づき救急車で病院へ。
点滴を打って帰ってきたが、このとき「施設に入れなくては」と考えた。
[茶碗蒸しさん/60歳]
■大柄な父を女手で支えられない
父は脳梗塞などで何回か入退院を繰り返した。家に戻ってきても、室内で転倒したり、風呂から自力で出られなくなったり。父は体が大きいので、母や私の力で起き上がらせるのは不可能だった。本人は嫌がったが、施設に入ってもらうことにした。
[mijaさん/68歳]
■足が悪いのに部屋が汚すぎた
義母はもともと片づけが苦手。大腿骨骨折で入院したとき、管理人さんに鍵をかりて一人暮らしの義母の部屋に入ると、床が見えないほど物が山積していた。「この家に戻ってきても、絶対にまた転ぶ」と思い、施設入居させることを決意した。
[すみれさん/63歳]
■脊柱管狭窄症で歩けなくなった
足腰の衰えが目立ち始めていた母だったが、脊柱管狭窄症が悪化して歩けなくなってしまった。3カ月の入院の間に施設を探し、そのままサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居することになった。
入院した初日、病院の先生が「ここを退院しても、自宅に戻れず、まっすぐ施設に入居する人はたくさんいます。入院する日の朝が自宅で過ごす最後の日となり二度と帰れなくなるケースもあるので、お母さまとしっかり相談してください」と言われたが、実際にそのとおりになってしまった。
母をもう一晩だけでも自宅に戻してあげたかった。
[О次郎さん/59歳]
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