「スリーアウトチェンジ」の頃から様相一変、石破首相が見せる"意外すぎる粘り腰"のカギは《半世紀前》にあった
党内で少数派の石破首相にとって、党外での支持を得ることこそが延命の秘策だ。少数派ゆえの逆境に対する強さは、故・三木武夫元首相と共通する。
1974年12月に首相に就任した三木氏は、党内の多数派とは一線を画し、「クリーン三木」を標榜して政治資金規正法を改正し、政治改革を訴えた。「三木降ろし」に耐えた三木内閣は2年間存続したが、その過程は衆院解散をめぐる多数派との闘いだった。
三木元首相に共通する「少数派ゆえの強さ」
石破首相もかつては石破派を率いたことがあったが、メンバーの減少で2021年に政治団体に変容。2024年2月には派閥のパーティー券問題を受けて、その政治団体も解散している。
党内の味方はおそらく20人にも満たないだろう。しかし、党外にも心が通じる政治家がいるようだ。
4日の衆院予算委員会での立憲民主党の野田佳彦代表とのやり取りは、党派を超えた大局の議論といえた。日本維新の会の共同代表を辞した前原誠司氏とは鉄道という趣味を通じて付き合いが長いが、前原氏は「石破さんには一度もウソをつかれたことはない」と断言する。
そして秋の臨時国会では、衆院解散権を握る石破首相が有利になるだろう。昨年の衆院選で自民党が敗退したのは、主に「政治とカネの問題」であったことに加えて、前出のJNN調査が示すように、世論は石破首相への失望より自民党への失望が大きいことを示している。
なお、衆院の早期解散を望んでいるのは、先月の参院選で躍進した国民民主党と参政党くらいで、立憲民主党は内閣不信任決議案提出には消極的だ。また、もし衆院が解散されれば、自民党は議席を失う可能性は高く、わざわざ自分の首を絞める愚者はいない。
故・三木元首相は解散権を行使せず、そのために衆議院の任期満了まで政権を維持できた。「バルカン政治家」と言われたゆえんだが、石破政権も同じ方法で2028年10月の任期満了を狙うのか。政治家としての真骨頂が試されている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら