海外投資家は日本株を「まだ買える」とみる 中国景気、企業業績など不安材料は山積

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ある証券会社社員はこう打ち明ける。「お客には『もう(中国関連銘柄の株価が沸騰するような)コマツの相場は二度と来ない』と説明しています」

8月の世界同時株安時、日本の投資家は凍りついていた

内外投資家の称賛を浴びてきた安倍政権への期待感も、やや冷めてきた。SMBC日興証券の阪上亮太・チーフ株式ストラテジストはこう話す。「9月に海外投資家たちとミーティングをした際、今のアベノミクスに対し『これまで最もディサポインティング(失望)だ』という人が多かった。内閣の支持率も下がり、本当にこれまで先送りされてきた規制緩和などが進むのか疑問の声が向けられている」。

11月に発表される7~9月GDP(国内総生産)の結果次第では、海外からの“疑い”の目は一層強まるだろう。

来年度の企業業績も、あまり期待はできない。「今年度は円安や法人減税、原油安などによって一株当たり純利益で12%ぐらいの増益要因となっている(上場企業ベース)。為替、商品市況が今のままならば、この増益ボーナスは来期には剥がれ落ちる」(阪上氏)。

海外投資家は意外にも強気!?

では、今の日本株は「売り」なのか。週刊東洋経済の10月31日号(26日発売)の特集『日本は売りか』では、複数の有力海外投資家にインタビューを実施し、率直な評価を尋ねた。すると興味深いことに、日本株に投資する海外機関投資家の多くの答えは、反対に「買い」だった。

詳しい理由や内容は週刊東洋経済10月31日号に詳しく特集しているが、海外投資家の多くは日本政府や企業が進める改革を評価している。不透明な市場環境が続き、不安材料が渦巻いて先行きに悲観的な見方も強まる中で、株式売買高の約6割を占める外国人投資家の見方は無視できない。

西澤 佑介 東洋経済 記者

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にしざわ ゆうすけ / Yusuke Nishizawa

1981年生まれ。2006年大阪大学大学院経済学研究科卒、東洋経済新報社入社。自動車、電機、商社、不動産などの業界担当記者、19年10月『会社四季報 業界地図』編集長、22年10月より『週刊東洋経済』副編集長

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