“キラキラ投稿”に疲れたZ世代「ハブられ、裏切られ…」“モヤモヤ投稿”にシフトするSNSの新潮流

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写真左より、川井友喜(芝浦工業大学柏高等学校3年)、平野弘輝(芝浦工業大学柏高等学校3年)、戸邊綾香(芝浦工業大学附属高等学校3年)、中島春香(芝浦工業大学附属高等学校3年)

これらの特徴に当てはまる人は、周りと人間関係をうまく築けているにもかかわらず常に不安と戦っていたり、相手から好意を寄せられれば寄せられるほど距離を置きたくなったりしてしまう特性を持っている。

言い出しづらい自分の特性を相談できずにいた人たちが、この診断で人との関わり方が言語化され、共有されることで、「みんなもそうなんだ」という仲間意識が生まれている。

親しい人、恋人、周りにいる友達との関係をうまく築けずに孤独感を感じてしまう。今までも感じていたが一人で抱え込んでいたことに名前がつけられ、拡散されることで、自分だけが特別ではない、他にも仲間がいるということに安心感を感じられるのだ。

モヤモヤの共感で安心感を得る

現役高校生たちのレポートはいかがでしたでしょうか。Z世代は、多様なSNSの普及により人間関係が複雑化しています。SNSを複数アカウント持ち、本垢(表のアカウント)ではキラキラした投稿や無難な投稿をし、裏垢(親しい人だけに見せる裏のアカウント、あるいは匿名のアカウント)やインスタの「親しい友達機能」を使い、そこでは自分の乱れた姿や本音を投稿するなど、気を遣って生きています。

こうした状況で、インスタを中心とする「キラキラ合戦」に疲れ始め、悩みやモヤモヤを発信し、過去のように憧れられるのではなく、共感されることで、新たな自己承認欲求と安心感を得ようとしているようです。

多くの企業は、このZ世代の自己承認欲求が「キラキラへ憧れられる」から「モヤモヤを共感される」に変化し始めていることを理解し、自社や自社商品へのマーケティング施策に役立てていくことが大切だと思います。

原田 曜平 芝浦工業大学デザイン工学部UXコース教授

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』などがある。

原田曜平研究室 デザイン工学部UXコース インサイトデザイン研究室(https://yoheiharada-lab.com)

 

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