海外記者が考える「自民大敗と立憲民主伸び悩み」が示す、日本の本当の問題点

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自民党を襲った「金権政治」スキャンダルが、昨年の衆議院選挙を契機に、国民の倦怠感をエネルギーに満ちた怒りへと変えた。にもかかわらず、自民党は根本的な不満に目を向けることを避けていた。

今年1月、私は自民党の幹部に尋ねた。「自民党は単に資金調達スキャンダルで敗北したのか、それとも有権者は政策に対するより深いメッセージを送っていたのか?」。

彼の回答はこうだった。「メッセージなどない。私たちの基本政策に対する不満もない。ただスキャンダルだけだ。そのような『抗議投票』は過去と同様に一時的なものだ」。

実際、彼と彼の同僚は、自民党が参議院選挙で容易に勝利すると確信していた。したがって、自己反省や方針修正の必要性はないと考えていたのだ。

数字は自民党に有利に働いていたはずだ。今年の参議院選挙では、全248議席の半数が改選対象だった。自民党と公明党の連立は、改選される66議席のうち50議席を獲得できれば、過半数の125議席を維持できた。本来であれば、地滑り的な敗北を喫するような選挙ではなかった。しかし、自民党・公明党の連立与党はわずか47議席しか維持できず、まさにその地滑り的な敗北が起こった。

高市早苗氏でも自民党は立て直せない

それでも、自民党は現状を正しく認識できていないだろうと推測する。彼らは敗北の責任を、石破茂首相や食料価格の高騰、あるいは右派の自民党支持者が参政党に流れたことに帰するだろう。

安倍晋三元首相の後継者たち、特に高市早苗氏を筆頭とするグループは石破首相の辞任を要求しているが、掲げる政策は安倍氏の非効果的な金融・財政政策の繰り返しだけだ。

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