「2400人もの雇用が消滅」「東京ドーム36個分の敷地の大半が空白地に?」 日産「工場生産終了」で横須賀市・追浜に起きうる変化
気がかりなのは、賃貸マンションや飲食テナントの「入居者募集」の張り紙の多さだ。
日産はここ10年で排ガスデータの検査不正などが相次ぎ、大衆車「マーチ」の生産終了などで、追浜工場の工員は既に3000人以下に。家賃は1Kだと 5万円以下まで下落しているが、地元の不動産会社の方に伺ったところ、「それでも借り手はない」とのこと。追浜工場の撤退は2027年と言えど、使いようがないマンションや店舗も、早期に出てくるのだろう。
なお、街の方によると「日産関係者は多く住んでいるが、買い物ではそこまでお金を落としてくれない」とのこと。テナントの撤退が目立つ商店街や「サンビーチ追浜」(京急ストアが入居している)ではなく、駐車場が広い金沢八景のイオンなどに行ってしまいがちなのだとか。
ただ、それでももし日産関係者の人口が減少すれば、ダメージはゼロではないだろう。
跡地活用を阻む道路事情 工場跡地が高額で売れなさそうなワケ

そんな追浜は「クルマで行きづらい街」「よそから人が来る集客施設を作りづらい街」であるという、追浜ならではのウィークポイントを抱える。恐らくこれが、日産にとっての「追浜工場売却」の成否を分けるだろう。
なにぶん追浜は、西側の鷹取山(京急本線西側の山)にふさがれ、東側は海。狭い平地の東西がふさがれ、南北の経路を担う幹線道路「国道16号」(横須賀街道)や、国道と日産工場を結ぶ「夏島貝塚通り」は片側2車線といえど狭く、すぐ渋滞で詰まる。
もし、工場敷地がショッピングモールなどに変われば、ただでさえ渋滞が多い国道16号が詰まり、さらなる渋滞は目に見えている。また、2~3kmほど北側の横浜市側(金沢区金沢八景・金沢シーサイドなど)にはコストコもイオンもあり、いまから追浜工場を商業施設・マンション街に転用しても、競争に勝てず賑わいを生めないだろう。
この状態では、日産としては高額転売が見込めない。

では、工業用地なら、売却の可能性はありそうだろうか?
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