参院選、与党の過半数維持は難しい情勢と報道-政局に影響の可能性
今回の選挙で消費税減税を主張した野党各党が議席を伸ばし、慎重だった自民は大きく議席を減らした。野党の影響力拡大で、予算や税制を含めた政策決定時に妥協を迫られる事態も想定される。衆院に加え参院でも与党が過半数割れすることで、今後の政局は極めて不安定になる。首相は続投に意欲を示したが、党内から首相の責任を問う声が上がる可能性がある。
債券安・円安圧力
選挙前から報じられていた過半数割れが現実になり、財政悪化懸念による債券安・円安圧力が今後、強まることもあり得る。21日朝の外国為替市場で、円はドルに対し上昇。一時ニューヨーク時間18日の取引終値比0.7%高の1ドル=147円79銭を付けた。
ナショナル・オーストラリア銀行の為替ストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、石破首相が野党の協力を一部得ながら政権運営を担うという政治的に不透明感の強い局面になると予想。「不確実性は通常、少なくとも初期段階では、円の支援材料となる傾向がある」との見解を示した。その上で、「選挙結果は全般的に日本資産にとって好ましいものでなく、円が上昇する局面では下落方向に賭ける」とした。
日本は祝日のため債券と株式市場は休場。21日早朝のシカゴ日経平均先物は、18日の大阪取引所の通常取引終値と比べもみ合う展開となっている。
みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは20日、 祝日明けの株と債券市場の反応について、政権の不安定化でリスクオフの株安、野党の影響力拡大による財政リスクで超長期を中心に金利に上昇圧力がかかるだろうと指摘した。石破首相が本当に続投するのであれば、変動幅は押さえられそうだとの見方も示した。