「47歳で第一子」誕生の男性が24年勤めた《リクルート》を辞めて移住&”専業主夫”になるまで。今も「養ってもらっている」訳ではない理由とは?

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河野さんはすでに実家に戻る予定はなく、妻は当時、東海地方の地元で子ども向けの英会話スクールを開業したばかり。自然と「結婚後は妻の地元に移住し、家を建てて一緒に住もう」という流れになった。

また、ちょうど会社からも「この期間に退職すれば、退職金を大幅に上乗せする」という通達が出たタイミングでもあった。まさにその頃、河野さん自身も会社員としての進退について考え始めていたため、これを機に思い切ってリクルートを去ることを決めたという。

しかし、専業主夫になる他にも、新たに働き口を見つける選択肢などがあったはずだ。

「まあでも、今までそこそこ頑張ってきたし、奥さんも忙しいだろうからと思って。専業主夫をやりたいとも別に思ってなかったんですけどね」

その選択を、妻も「いいんじゃない」とまったく否定しなかったそうだ。

「養ってもらっている」訳ではない

専業主夫になって約10年経った今、家計のやりくりについて伺うと「家にかかるお金はほとんど僕が出しています。食費、光熱費もそうですね。家は即金で払ったのでローンもないです。子どもの習い事の費用は、妻が出してくれているかな」と驚きの回答が返ってきた。

リクルートを早期退職し、家の建築費用はその退職金を使い一括で支払った。現在、家にかかる費用は「年に1回支払う固定資産税くらい」。しかし専業主夫である今でも、食費、光熱費など生活に関わる主な支出のほとんどは河野さんが担っているという。一体どういうことなのだろうか。

「僕の貯金と、あとは資産運用をしています。株の取引ですね」

子どもたちを学校や保育園に送り出した後、午前中の時間のほとんどは株の取引に費やすという。

このような家計資金の捻出方法を実現させるためには、まず大きな元手が必要なのは言うまでもないが、河野さんのようなポジティブな資質と、冷静に大局を見て資産を動かすセンスが合わされば、可能なのかもしれないと感心するばかりだった。

また、お金の使い方は、結婚前と結婚後で大幅に変わったという。

「以前はかなり適当でした。値段も見ずに趣味のものを買ったり、飲みに行ったりしていました。でも今は『これから子どもがどういう風に育っていくか』という視点で使うようになりましたね。でも結局は、半分自分のためでもあります。親が楽しく生きていれば、子どもも楽しく生きられるだろう、って」。

後編『「達成感を得られなくて”最初の5年”はしんどかった」リクルートで”営業一筋24年”の男性が「47歳で第一子&専業主夫」になった感想』では、専業主夫としての日常生活や「リクルート流」の子育てについて紹介する。

休日は家族でキャンピングカーで出かけることも多いという(写真:河野さん提供)
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宇乃 さや香 フリーライター

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Sayaka Uno

1982年北陸生まれ。大学卒業後、分譲マンション管理会社、フリーペーパー出版社、認知症対応型グループホームでの勤務を経験。妊娠・出産を経てフリーライターとして独立。生き方や価値観のアップデート、軽やかに生きるヒントを模索し、取材を続ける。

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