背後から近づくロボット犬、近代的なモール…新疆ウイグルの「観光都市」ウルムチ、《世界一周一人旅》の途中で6時間街歩き

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次に来たときは緑のプレートだらけになっているかもしれないから、今のうちにと写真に収めた。

日本車
バザールを離れると普通の中国の街並み。日本車が並ぶ(写真:筆者撮影)

公園では中年グループがダンスをしていた。広場舞(ダンス)は中国のどこででも見られる日常だが、踊っている人の顔立ちも、かかっている音楽も中国のそれとはちょっと違う。

公園
ホテルに向かう途中の公園(写真:筆者撮影)
広場で踊る人
広場舞を楽しむ人たち(写真:筆者撮影)

四川や雲南より"なまり"がない

6時間の街歩きを終え、ウルムチの空港に移動した。ウルムチは新疆ウイグルの各地へ向かう交通のハブであると同時に、東アジアと中央アジアの結節点だ。

わざわざこの地にやってくる日本人旅行者は、ウルムチの滞在は最小限にして、カザフスタンとの国境にあるカシュガルや、古都の遺跡が充実したトルファン、オアシス都市の哈密を何日もかけて巡る。

観光バザールとショッピングセンターを駆け足で尋ねた筆者は、例えるならば関西空港のトランジットで、道頓堀のグリコの看板前で写真を撮って、心斎橋でちょろっと買い物をして、京都にも奈良にも行かず空港に戻るインバウンド客のようなものだ。

中国語が多少わかる筆者にとって、荷物検査のわずらわしさを除いては、動きやすさは他の大都市と変わらなかった。空港には地下鉄が乗り入れているし、定番・人気ブランドは一通り進出している。

雲南省や四川省を旅行すると、年配の人は"なまり"が強すぎて何を言っているかわからないことがよくある。筆者の中国語も外国人なまりがあるので、現地の人から時々「お前新疆人か」と聞かれる。

それくらい「新疆人=中国語が下手」というイメージが定着しているが、実際ウルムチで言葉を交わした人のほとんどが、聞き取りやすい普通語を話していた。

ウルムチだからなのか、あるいは新疆全体で同化政策が進んでいるのか、わずか23時間の滞在では判断はできない。

成田から2都市で2泊して60時間というとタイパ最悪に見えるが、「空のシルクロードの旅」と捉えると本当に一瞬だった。今度来るときは、ラクダに乗ってとは言わないまでも、高速鉄道を使って陸路でもっといろいろな場所を訪ねたい。

【前編】「コメの値上がりはトランプのせいか?」、シルクロードの中心で日本のコメ問題について聞かれた不意打ち。世界一周旅、新疆ウイグル滞在記
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浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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