鴻海(ホンハイ)・郭台銘会長が語った 日本企業と組む3つの理由
日本企業の特許とブランドを守る
たとえば、われわれは現在、シャープと一連の提携について話し合っている。液晶パネルだけではない。
シャープは、中小型と大型の液晶パネル、冷蔵庫、携帯電話端末、電子ブック端末など多くの優れた製品を持つ。携帯電話端末(販売台数)に限れば、日本のトップだ。
シャープとの提携は全面的なものとなる。まず、共同での開発、調達から始める。日本人のやり方は比較的慎重で手順があり、一歩一歩進める。男女の恋愛のようなもので、手をつなぐところから始めるのだ。
実際のところ、われわれはいくつかの製品をすでに出荷している。今回、双方が話し合っている製品は、スマート型の白モノ家電を含んでいる。パネル、技術、海外工場の開設、調達で提携する。さらに将来は、われわれが中国で進めている「万馬奔騰」(現地従業員1万人に対し故郷での家電販売店開業を支援するプロジェクト)で、シャープの製品を売ることもできる。現在は合弁で研究・開発を進めることを話し合っている。
日立製作所ともかなりの時間をかけて話し合っている。液晶パネルにおける日立のIPS(In Plane Switching)方式はやはり非常に強いものがある。東日本大震災後、日立は福島の件で忙しいので遅れてはいるが、技術交流を進めている。
最近、キヤノンとも話し合っている。キヤノンは光学分野で非常に優れた会社だ。私は何年も前、キヤノンの光学工場を見学したことがある。以上はほんの一例で、実際のところこれ以外にも10社以上と協議しており、その多くが部品メーカーだ。