鴻海(ホンハイ)・郭台銘会長が語った 日本企業と組む3つの理由

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われわれが日本企業と提携する理由は三つある。第一に、日本と台湾との提携は、韓国との提携より成功率が高いということだ。多くの日本企業はサムスンと提携したが、最後の結果はどのようなものだったかを見れば、わかるだろう。

第二に、われわれは知的財産を重視しており、他人の技術を持ってきて自分の技術として使うようなことはしない。われわれは特許使用料を支払う。これが、日本企業が台湾企業との提携を希望する要因だ。

第三に、双方の東洋文化は比較的に近く、「信頼」に対する認識が近い。日本は長期的な安定を求め、慎重で、保守的で、決められたとおりの手順で仕事を進める。台湾は柔軟性が高く、スピードが速い。われわれは精度と柔軟性の間で均衡点を見いだし、相互の長所を補完的に発揮できる。

最後に、日本企業にはブランドがあり、われわれにはブランドがない。私はブランド経営はやらない。

私にはブランドを経営する遺伝子がない。しかし、製造に従事するチャネルやトータル・サプライチェーンを担うことができる。このため、われわれは部品をきちんと作ることに専念し、革新技術を最高のものに高め、ブランド企業と提携する。

さらに、今回日本で発生した東日本大震災で、最も頼りになるパートナーは台湾だった。共に繁栄し、共に豊かになる相手も、台湾である。

(台湾『今周刊』No.756/頼筱凡、林宏文、葉揚甲 =週刊東洋経済提携)

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