《22時間漂流》の船「セブンアイランド愛」が引退へ…。【残り18隻】早くて快適な「ジェットフォイル」更新問題が悩ましい理由

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それもそのはず、普通の船が約20ノット(時速35km相当)で航行するところ。ジェットフォイルは45ノット(時速83km相当)で進む。

ジェットフォイル(ジェット船)の所要時間比較
ジェットフォイル(ジェット船)の所要時間比較(東海汽船ホームページより)
ジェットフォイル
ジェットフォイルの構造(JRTT鉄道・運輸機構 Webサイトより)

高速さの秘訣は「飛ぶこと」にある

高速航行の秘訣は「水面を飛ぶこと」。飛行機の横にある翼部分のかわりに、ジェットフォイルは「水中翼」と呼ばれる翼を船の下部に持つ。ここから毎分180t(一般的な25mプールの半分相当)もの海水を取り込み噴出することで、海面から1mほど飛びながら前進する。

普通の船が「浮く」(浮力)とすれば、こちらは飛行機に近い原理で「飛ぶ」(揚力)ので、早くて当然、という訳だ。

かつ、海面を”飛ぶ”がゆえに、少々の高波をものともせず、波の影響を受けるフェリー・旅客船より、はるかに乗り心地がよい。2024年の漂流の際はエンジン停止・着水した状態で波を受けて相当に揺れたが、そんな事態が起きなければ、航行の安定感は抜群にいい。

なお、ジェットフォイルはもともとアメリカ・ボーイング社によって開発され、「ボーイング929」という型式を持っていることもあり、駆動部は航空機とかなり共通するものだ。現在ではボーイング社が撤退、川崎重工業がライセンスを引き継ぎ、保守・管理を担っている。

セブンアイランド大漁
東海汽船「セブンアイランド大漁」(JRTTホームページより)
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