レクサスRZ「2年で大幅改良」とF SPORT追加の真意

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世界の自動車メーカーの中で後発になったBEVとして、ほかにない特徴が、マーケティング上必要だったというのだ。

たしかに上記の2つの新技術は、運転に彩りを加えてくれる。夜に出たら話題性も大きいはずだ。ただし、そもそも今回のRZの平均点は、かなり高い。

たとえば、もっとも基礎となるシャシーは、補強を入れるなどして剛性を上げ、操縦安定性を高めている。

ステアバイワイヤ非装着車は一般的なステアリングホイールがそなわる(写真:Lexus International)
ステアバイワイヤ非装着車は一般的なステアリングホイールがそなわる(写真:Lexus International)

全輪駆動車では「DIRECT4」なる技術を改良。モーターによる前後の「e-アクスル」の性能を見直した。バッテリー容量増と水冷化による効率アップ、それにインバーター性能の向上を図った。

従来は85kWだったモーター出力を今回167kWに上げるとともに、駆動力配分の制御を見直している。走りに応じてフロント80対リア20から、リアのみ100パーセントの駆動にいたるまで変えていく。

前輪に舵角がついているときは、内輪に軽くブレーキをかけライントレース性を上げるなどして、コーナリング性能を飛躍的に高めたのも、あたらしいDIRECT4の特徴。

これに後輪操舵システムが組み合わされれば、開発者の理想により忠実な動きが実現するだろう。ただし、それは次のモデルチェンジを待つしかないのだが……。

ボディサイズは全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mmで「RX」に近い(写真:Lexus International)
ボディサイズは全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mmで「RX」に近い(写真:Lexus International)

「ステアバイワイヤは、単なる話題づくりのための技術ではありません。この先、より洗練させて広い車種レンジに展開していきたいと思っています」と寺田氏。

F SPORTではないグレードも好印象

足まわりも、改良したダンパーを組み込んで、この点でも操縦安定性と乗り心地をともに向上させている。

これらの成果は、RZ550e F SPORTにとどまらず、280kWで通常のステアリングシステムを持つRZ500eの走りのよさからも感じられた。操舵力とアクセルペダルの重さは適度で、私の好みだった。

前輪駆動のRZ350eでも、150kgほど軽い車重も手伝って軽快な動きを楽しめた。ようするに、ベースが大変よく出来ている印象なのだ。

グローバル展開をする新型RZ。まずはBEVの充電インフラが整ってるヨーロッパなどで、2025年秋から発売する計画だという。

日本への導入も計画にしたがって順次、だそう。走りのいいBEVを求めている人は、それまで待ってもいいと思う。

<レクサス RZ550e F SPORT>
全長×全幅×全高:4805mm×1895mm×1635mm
ホイールベース:2850mm
車重:2135kg
電気モーター:前後各1基
駆動方式:全輪駆動
システム最高出力:300kW
最大トルク:前後ともに268.6Nm
一充電走行距離:500km
乗車定員:5名
0-100km/h加速:4.4秒
価格:未定
問い合わせ:レクサスインターナショナル
【写真】まさに前衛的!レクサス RZの未来的な内外装(15枚)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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