サムスンが「開く」新時代スマホ体験──折りたたみの弱点だった“厚み”と“重さ”を克服したGalaxy Z Fold7・Flip7を発表
バッテリーの持ちも大幅に改善された。4300mAhの大容量化により、動画再生時間は31時間を実現。前作Flip6の23時間から8時間延長、前々作Flip5の20時間と比べると11時間も長くなり、これまでの弱点を完全に克服している。
販売戦略の転換と価格設定
販売体制にも大きな変化がある。今回、ソフトバンクが初めてサムスンの折りたたみスマホを取り扱う。
また、サムスンの自社販売(SIMフリースマホとしての販売)にも戦略の変化が見られる。これまで同社は大手キャリアとの関係に配慮し、SIMフリー版の発売時期をずらしてきた。しかし、近年は公式オンラインストアを立ち上げて直販を強化しており、今回はついにAmazonや家電量販店でもキャリアと同時発売を実現した。折りたたみスマホの販売に本腰を入れ始めたことがうかがえる。
価格はFold7が29万8200円から、Flip7が16万9400円から。決して安くはないが、もはや「重くて分厚い代わりに画面が大きい」という妥協の産物ではない。軽さ、薄さ、カメラ性能、AI機能すべてで通常のハイエンドスマホと遜色ないレベルに到達した。
Fold7の約30万円という価格は、ハイエンドスマホとタブレットを別々に購入するよりも安い。1台で両方の役割を果たすことを考えれば、投資対効果は決して悪くない。Flip7の約17万円は、通常のハイエンドスマホとほぼ同等の価格帯。コンパクトさとAI機能を重視するユーザーにとって、現実的な選択肢となっている。
折りたたみスマホ市場は急成長を続けている。MM総研によると、国内の折りたたみスマホの認知度は75.7%に達し、購入意向も30.3%と高い水準にある。世界市場でもスマホ市場全体を大きく上回る成長率を示しており、もはやニッチな製品ではなくなりつつある。
サムスンは「折りたたみスマホならGalaxy」というメッセージを掲げ、市場のパイオニアとしての地位確立を狙う。弱点を克服し、AIで新たな価値を生み出した新製品は、折りたたみスマホ市場の本格的な成長期の到来を告げている。
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