また、ゼロスペックは、寒冷で雪が降る気候の北海道で、灯油や重油のデリバリーをいかに効率よく行うかという事業を展開しており、北海道の特性に合わせたサービスと言える。
宇宙ベンチャーも多数
選定企業に宇宙ビジネスを手がけているスタートアップが多いのも特徴だ。
大樹町にあるインターステラテクノロジズもその1つで、ロケット開発およびロケット打ち上げ事業を展開する。
日本のロケット打ち上げ場所として、鹿児島県の種子島や和歌山県串本町などがあるが、同社が拠点にする大樹町も有名な打ち上げ場所だ。種子島はJAXAの研究所など国営の宇宙関連プロジェクトが集まっているのに対し、大樹町は宇宙関連ビジネスを手がける民間企業が集まる。
そのインターステラテクノロジズは、現在、小型の観測ロケット「MOMO」の打ち上げ実績を重ねる。今後はロケット重量やサイズ等をさらに大きくした中型ロケット「ZERO」や、2030年代を目標に大量宇宙輸送サービスを目的にした大型ロケット「DECA」の打ち上げを視野に入れている。
多額の資金が必要になる中、同社は2024年10月にシリーズEラウンドとして総額約39億円の資金調達を完了。補助金などを含めたこの時点の累計調達額は約227億円に達する。さらに、2025年1月にはトヨタのウーブン・バイ・トヨタと資本業務提携が決定し、シリーズFのファーストクローズまでに約70億円の出資を受けた。
Letaraも宇宙ビジネススタートアップの1つ。人工衛星向けの安全かつ低コストの高い推進力を持つエンジンを開発するスタートアップである。プラスチックを用いた固体燃料と液体酸化剤を組み合わせるハイブリッド推進技術によるエンジンを人工衛星にとりつけることで、軌道打ち上げ後の人工衛星自らの機体が推進エンジンによって宇宙空間を移動することを可能にする。
Letaraは、2025年3月にシードラウンドで総額11.3億円の資金調達を実施、補助金等含め累計総額で約18億円の調達を行っている。
さらに、気球を使って成層圏への有人宇宙遊覧フライトの実現を目指す、岩谷技研も有名だ。2023年12月に4億円の第三者割当増資を新たに実施。2020年8月のシードラウンドからの累計調達額は、約20億円に達している。
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