「今日からお前が母親だ」突然、親の介護・家事を背負った18歳。元日テレアナウンサー町亞聖さんが語るヤングケアラーの「問題」<前編>

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母親の後を追って父親が亡くなるまでの15年間、家族以外には誰にも頼れず、気持ちに蓋をしたまま、介護や家事をこなした。それはテレビ局のアナウンサーになっても続いた。「今でも弱音を吐くのが苦手」とも言う。

しかし今、町さんは子どもや若者を含めたケアラー全体に「困ったときは、誰かに助けを求めてもいい」「受援力(じゅえんりょく)を持とう」とアドバイスする。

町さん著「受援力」(写真:今井康一撮影)

困りごとは積極的に伝える

受援力は東日本大震災をきっかけに内閣府が提唱した言葉で、「災害時に必要な支援を受けるときの心構えやスキル」(*2)のことをいう。

介護や日々の世話が必要な家族がいる場合、どんなに困っても、家のことだから自力で何とかしなくてはいけない、他人に迷惑をかけてはいけないと思いがちだ。だが、困りごとやいまの状況を積極的に伝えることで、周囲の力が助けとなり、物事の改善に結びつきやすい。

たとえば、介護なら各自治体にある地域包括支援センターとつながることで、介護保険サービスによる生活援助や入浴・排泄介助、デイサービスを利用できる。食事なら、配食サービスや子ども食堂を利用するという手もある。

これらの支援によって介護や家事などの負担が軽くなれば、勉強や部活、友達との交流の時間に充てることができる。

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