不誠実な夫でも、離婚を早まってはいけない 嫌いになるまで離婚はするな

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彼の不実を差し引いてでも余る魅力が、彼にはあるのですね。もしくはそんなことでは断ち切れない夫婦の情等が、まだおありだとお察しいたしました(ごく普通の感情だと私は思います)。

その段階では、いくらはたから見れば離婚のケースでも、まだ離婚してはいけません。今のところあなたの場合、離婚はいつでもできるようですから。

浮気性の夫が最後に戻ってきた事例は、少なくない

無神経で不誠実な夫と、何事もないかのように振る舞う彼女の態度に、神経をすり減らすつらい毎日だと、お察しいたします。こんな時、私の二人の友人の生き方は、参考になるか励ましになるかもしれません。

友人の直子さん夫婦は、親に猛反対されたのを押し切っての結婚でした。にもかかわらず、夫の浮気は絶えません。ネクタイの締め方やブレザーの選び方、どことなく浮き浮きした表情で、直子さんはいつもそれを察知するそうです。直子さんは即、動きます。尾行したり調べたりして、できるだけ早く現場を押さえ、夫を連れ帰ります。

無理に引き離しても、心が離れなければ解決にならないと私が言いますと、「だって私は妻だから、夫が間違ったことをしているのに、黙って見ているわけにはいかない」と自信たっぷりです。「あるタイプの男性なら、恥をかかせたと逆切れして、かえって妻から心が離れるかも」とも言いました。そうしたら、「何度も、浮気相手の前で、髪をつかまれて引きずり倒されたこともあるけれど、妻は私だから」と、彼女は方針を変えません。

もう一人の友人である優子さんは40歳前の頃でも、ロングヘア―でファッションセンス抜群の、独身のような若々しい人でした。それでも性格のきつい夫の昭雄さんが、20歳の女性の元へ走り、帰ってきません。ときたま昭雄さんが帰って来る時の送迎は、優子さんの役目です。

「子供が駄々をこねていると思うことにしている。この家を出ても、私は特にやりたいことがないから」と言うのです。周囲は皆、「私ならできない」とか「女性としてのプライドがないのか」と鵜の目鷹の目でかしましく、興味本位で彼女をあおります。

優子さんはそれを逆手に取るように、「今は彼女とケンカ中なのか、昭ちゃんは魂が抜けたようになって、ふて寝する毎日よ」と笑い飛ばしていました。オープンに笑い話にすることで、彼女はかろうじて自分を支えているのだと、私は感じました。

それから10年。先の直子さんの夫は今では、口を開ければ、直子さんへの感謝の言葉です。世の中で、自分しか妻帯者がいないようなおめでたさだと、陰口を叩かれるほどのおのろけ話ばかりです。昭雄さんも、今では外から帰るなり、ガレージの車から「優子、優子」と、優子さんがいなければ、生活が一歩も前に進まない人かと、ガレージの隣の人がうるさがるほどです。

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