マックハウス、12年ぶりに客数が増えたワケ 「3ケタ商品」と「店舗改革」が奏功

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今上期は12年ぶりの客数増、営業黒字転換も達成した。ユニクロなどとの差別化も実現しつつある

「東京靴流通センター」を運営する靴大手・チヨダの子会社で、ジーンズカジュアル衣料店を約460店展開する、「マックハウス」が長期低迷からようやく脱しようとしている。

2016年2月期上期(3~8月期)の既存店客数は、前年同期比1.2%増を達成。前年超えは実に2003年2月期以来12年ぶりだ。幅広い低価格品の大量投入が効いたことが大きいが、同時に客単価も上昇、既存店売上高は3.6%増だった。結果、不採算店の閉鎖で売上高は前年同期比0.5%減の172億円と減収だったものの、営業損益は2.9億円と黒字達成(同1.2億円の営業赤字)。当初計画から上方修正した。

マックハウスの白土孝社長は「(ユニクロやH&Mなどの)SPA(製造小売業)に勝てず、顧客を奪われて凋落するばかりだったが、やっと手応えを感じつつある」と指摘したうえで、「既存店の年商は過去下がり続けて、前期は平均7500万円まで下がった。どこかで重い車輪を回さないといけなかった」と振り返る。

目玉は1000円未満の3ケタ商材

白土社長はチヨダで広報IR部長を務め、マーケディングでも高い成果を上げた手腕を買われて、不振の続くマックハウスの社長に2013年に就任。2014年から社長自らが営業本部長を兼務。客数アップにこだわり、営業、商品、販売促進の“三位一体”の改革を進め、早期に平均年商1億円に引き上げることを目標にしてきた。

集客の目玉は、「低価格プロジェクト」と銘打って3ケタ商材(1000円未満)にこだわった、低価格商品の大量投入だ。白土社長は「SPA、ファストファッションの競合店に負けない価格設定の商品を、大量投入できた」と自信を示す。「リアルスタンダード」や「フリーネイチャー」などのPB(プライベート・ブランド)商品を中心に、290円(税別)のキッズTシャツやメンズ、レディスの低価格シャツが売れた。採算度外視の単なる安売りではなく、低価格プロジェクト全体で粗利率50%を確保できているという。

990円(税別)で限定発売したストレッチジーンズは、価格訴求だけでなく価値訴求も徹底。「開発バイヤーが自ら生産国現地にて協力工場を開拓。縫製ラインを固定し、作業の効率化と安定化を図りました。また生産地から店舗へ直接納品することで物流コストを大幅削減。数量限定、期間限定でこの価格を実現しました」、といった開発ストーリーを伝えることで購買意欲を喚起できたと自己分析する。

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