レールの交換作業は難航した
訓練の想定ケースは次のようなものだった。福岡県沖・玄界灘を震源とする地震に発生し、小倉―博多間を走行中の新幹線の先頭車両が脱線して停車。乗客の救護は終了し、設備や列車の復旧作業を行うという。
「訓練だから失敗してもいい。“気づき”を得て、それを職場に持ち帰って生かしてほしい」。朝10時、荻野浩平・新幹線管理本部長のこんな訓示で訓練はスタートした。
午前中は、折れたレールの交換、切断した架線の修復などが行われた。架線の復旧作業は特段の遅れもなく、スムーズに終了したが、折れたレールの交換作業は傍から見ても苦戦していた。どうやら、新しいレールの寸法が古いレールよりもわずかに長く、取り外して空いたスペースに差し込むことができないのだ。
この日は雲の多い天気だったが、日が差すにつれ、気温はじわじわと上昇した。そのため、レールの温度が上昇し、少し長くなってしまったのかもしれない。当初11時35分とされていた復旧見込み時刻は12時へと変更された。
レール交換のスタッフたちは、レールを強引に押し込むことを断念して、別の場所へと移動した。前後のレールの継ぎ目を数ミリずつずらすことで、スペースを広げる作戦だ。この方法が功を奏して、レール交換が無事終わった。終了時刻は当初予定どおりの11時35分だった。
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