上司2人が険悪!部下はどう振る舞うべきか

部長と課長が犬猿の仲

このようなケースの場合は、部長、課長双方にモノを言える立場の人、すなわち部長のさらに上の“本部長クラス”の人に直訴するのが常套です(以下、「本部長クラス」のことを「本部長」と示します)。

曽和利光さん /株式会社人材研究所・代表取締役社長●1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。

ただ、組織が大きいと、本部長とイチ社員のリレーションが薄いという場合もあるでしょう。本部長が「よく知らない若手」の意見に耳を傾けてくれなかったり、話を聞いてくれたとしても「部長や課長に対して文句を言っているだけの部下」と思われる恐れもあります。

お勧めしたいのは、「同僚を巻き込む」ことです。現状に課題感を持っている同じ立場の仲間を集めて「本部長を囲む会」などを催し、現状の報告をするとともに、皆の切実な思いを理解してもらいましょう。職場の環境整備は、上役の重要な仕事。現場の総意が伝われば、現状改善に動いてくれるはずです。

本部長に報告する際は「事実をフラットに伝える」べし

その際に注意したいのは、決して本部長を焚き付けすぎないこと。上の人になればなるほど、意思決定が迅速です(だから出世しているのです)。その日のうちに、いきなり部長、課長に電話をかけ「お前ら何やっているんだ! 若手からこんなことを言われたぞ!」などと活を入れることも大いに考えられます。その場合、部長、課長が「自分を通さずに本部長に告げ口した」ことに恨みを持たないとも限りません。

本部長に報告する際には、どちらかを悪く言うのではなく、フラットに「指示系統が2つにわかれていて、どちらに従えばいいのかわからない状況に陥っている」という事実のみを伝えること。そしてあくまで「本部長には現状を知ってほしかっただけ。後は自分たちで頑張るので大丈夫です!」とクギを刺しておくことです。

本部長に拙速に動かれることを防ぎつつ、現状報告のみを行えば、冷静に対応策を考えてくれるはず。すぐに現状を変えられないとしても、人事評価や人事異動、組織変更など「適切なタイミングが訪れた時に適切な対応」をしてくれるでしょう。

なお、告げ口にならないか……と恐れる必要はありません。現場からアラートを上げるのは社員の義務のひとつ。上から見れば、このようなトラブルは「なかなか見えてこないけれど、とても知りたいこと」なのです。

もちろん、「部長と課長を仲良くさせる」という極めて平和的な解決方法も大いに考えられます。

2人の間によほどの怨恨がない限り、2人の不仲は単なるボタンの掛け違いである可能性が大。何らかのきっかけで意思疎通が図れなかった経験があり、お互いに疑心暗鬼になっているのではないでしょうか。

たとえば、部の飲み会などのインフォーマルの場で、2人の席をわざとくっつけてみてはどうでしょう。2人が嫌な顔をしたら、今回は事情をわかっていない新人が幹事で、席順も彼が決めてしまった……などと言い訳をして、無理やりでも隣に座らせましょう。そして、あなたが近くに座って懐に飛び込み、会話の糸口になるようなたわいのないテーマを振って、コミュニケーションのファシリテーターになるのです。そこでもし2人の関係性改善が図れたら、あなたの社内での株はぐっと上がるはずですよ。

(EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭)

リクナビNEXTジャーナルの関連記事
スーパープレイヤーがマネージャーになると、途端に苦戦するワケ【シゴト悩み相談室】
催促・お詫び・お断り…送りにくいメールをスマートに送る プロの具体文例集
ハードな環境でも、最高の成果を発揮する『カリスマ上司』の3つの共通点

 

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 中学受験のリアル
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
株式投資・ビジネスで勝つ<br>決算書&ファイナンス

この1冊で企業財務がぐっと身近に。PL、BS、CSの基本から、キーワードで読み解く業界分析、買収価格算出などの応用まで、厳選30のノウハウを丁寧に解説。業績絶好調企業に加え、会計と実態の差を補う疑似資産、会計利益先行率のランキングも。