古材生かしたリノベのコーヒー店や麻婆豆腐食堂…「上諏訪」に移住・開店ラッシュなぜ? 《立役者は"リビセン"》長野県諏訪市
今ある建物は“デッキ棟”、隣の建物は“トンネル棟”になるそうで、新たなお店も誕生します。もともとあったかわいい窓は残して使う、と東野さん。建物の面影が残るのは、地元の人にとってもうれしいことですよね。
トンネル棟の建物は大家負担ゼロで、すわリノが家賃を払って活用するとのこと。2棟でひとつのスポットとして世界観が確立でき、まち全体の機運も高まることが期待されています。

ほかにも、PORTALLEY斜向かいの「すわシェアハウス」(なんと温泉付き!)や、1階に新しいスタイルのコンビニ「わざマート諏訪店」が入った「スワマチビル」も、すわリノが手がけています。
スワマチビルの3・4階には、2025年7月1日に「mitaya micro hotel(ミタヤマイクロホテル)」がグランドオープン予定。上諏訪の中心部、まわりに楽しいお店が集う好立地にできる宿なんて、ワクワクでしかありません。
「自分らしく暮らしたい」人が続々移住
実際に、諏訪でお店を始めた方たちにお話をうかがってみました。
まずは、2019年にオープンした自家焙煎コーヒーとお茶の店「AMBIRD(アンバード)」店主の黒鳥伸雄さん。

黒鳥さんは東京出身で、スペシャルティコーヒー店「オニバスコーヒー」やパンの店「ユヌクレ」などを経て、フリーのロースター、バリスタに。仕事は充実していたけれど、東京のスピード感に疲れてしまい、地方に移住して自身のコーヒー店を構えたいと考えたそうです。
場所は、知り合いが住んでいるエリアで、かつ東京から行き来しやすい距離感のところで探しました。上諏訪を選んだのは、このエリアにスペシャルティコーヒーの店がなかったから。
「当時、人が集まるのは観光客に人気の諏訪五蔵と呼ばれる酒蔵くらいで、新しいお店は少なくて。リビセンの東野夫妻とは前から友達で、上諏訪を盛り上げたいと言っていたのを聞いていたから、一緒に楽しいまちにできたら、という気持ちもありました」


建物は、上諏訪に来てたまたま見つけた10坪の売り物件。黒鳥さんひとりで始めるので、目が行き届く10席の店がつくれるちょうどいいコンパクトさでした。内装デザインと古材の調達、左官はリビセンで、大工や水道・電気工事などは黒鳥さんが手配して進めました。