「司法まで掌握することになれば独裁だ」、韓国で台頭する《怪物独裁国家》誕生の危ういシナリオ

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韓国の新大統領に選ばれたイ・ジェミョン氏。晴れやかな表情の裏で、司法を牛耳ろうという恐ろしい計画が進行中だ(写真:ブルームバーグ)
6月4日、韓国の第21代大統領に「共に民主党」のイ・ジェミョン候補(61)が選出された。ユン・ソンニョル前政権への審判が下された結果となったが、「国民の力」のキム・ムンス候補(73)の得票率41.15%との差は8.27ポイントにとどまった。前大統領が罷免され、有利と言われた選挙戦の見通しとは異なり、圧倒的な勝利とはならなかった。
新大統領はどんな人物で、直面する課題にどのように対応していくのか。東洋経済オンラインでは前後編に分けて、現地在住ジャーナリストの分析をお届けする。後編はイ大統領が強力に推し進めようとしている司法改革についてだ。
前編:「豚肉が売れない」「会社が暗くて気分が落ち込む」 韓国"新大統領"を待ち受ける《経済復活》の険しい道
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危ぶまれる「怪物独裁国家」誕生

6月3日に投開票が行われた韓国の大統領選。「共に民主党」のイ・ジェミョン候補(61)が選出されたことを受けて、同党を熱烈に支持する知人は「当然の帰結。これから韓国は民主主義を回復し新しい大韓民国になる」と興奮していた。

一方、保守派の「国民の力」を支持する知り合いは「悪運だ。ユン・ソンニョル(前大統領)があんなばかげたこと(非常戒厳令)をしなければ政界から退場していたはずの人物が大統領になるなんて、悪運と考えなければやりきれない」とうなだれていた。

「政界から退場していたはず」というのは、イ大統領が土地開発疑惑などで裁判を抱えており、5月1日には二審で無罪となった公職選挙法違反の上告審で差し戻し判決が出たことを指している。

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