野党の秘策「芋づる式弾劾作戦」が崩壊!焦る「共に民主党」と混迷を極める「韓国政局」の現在地

昨年12月に宣布された「非常戒厳」をきっかけとした混迷が続く韓国の政局。ユン・ソンニョル大統領の罷免の可否をめぐる弾劾裁判の宣告が迫る中、大統領の勾留取り消しが確定し釈放されるという逆転劇が起き、“最後の決戦”に向けた世論戦は最高潮に達している。とくに、最大野党「共に民主党」の焦りぶりは尋常ではない。
韓国国内では、ユン大統領への弾劾の宣告日として3月14日が有力視されていた。これは、2月25日に憲法裁判所での弁論が終了した後、パク・クネ元大統領などの前例に照らして日数を計算したものだった。だが、3月9日にユン大統領の勾留の取り消しが確定し釈放されてから、風向きが変わった。
パフォーマンスに走る「共に民主党」
野党は9日、ユン大統領の釈放を受けて、すぐさま緊急体制に入った。「共に民主党」の所属議員はソウル市内で行われているデモに連日参加することが決められたほか、海外出張禁止令が出された。
野党側の動きは、それだけではない。次期大統領候補の1人として名前が挙がるキム・ギョンス元慶尚南道知事は、「ソウルの霞が関」と言われる光化門でユン大統領の罷免を求める断食を開始。一部議員は罷免を祈願し、国会議事堂前で剃髪式を行った。
「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は「(検察は)大統領とグルだから寛大なのだ」と勾留取り消しに抗告しなかった検察を猛非難したが、党内からは「なぜ誰も釈放の可能性を予想できなかったのか」という声が上がり、「ユン大統領が憲法裁判所で罷免され、拘束された状態で刑事裁判が続くものだと油断していた」(3月11日付の中央日報)との嘆息が漏れたという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら