窪田:そこに歌詞のヒントがあったのですね。
柿島:そうです。元素の名前が、何とかジウム、何とかニウム……と、ウムウム言っている。これは面白いなと思って(笑)。周期表を全部歌詞に入れて、みんなを笑かしてやろうと作ったのが、「スイヘイリーベ ~魔法の呪文~」なんです。この曲は「かっきー&アッシュポテト」のバンドでリリースしています。
窪田:そうだったんですね。1曲の中に元素の名前が全部入っているから、すごく覚えやすいですよね。私は「水兵リーベ僕の船……」の語呂合わせで丸暗記をしたので、もし学生時代にこの曲があったらもっと楽だっただろうなと(笑)。うらやましくなりました。実際、この曲で周期表を覚えた子どもたちは多いんじゃないでしょうか。
柿島:ありがたいことに、そうみたいですね。中学生たちの間では「試験前に覚えやすい暗記ソングがある」と話題になったみたいです。
それで、「次は歴史の歌を作ってみない?」と、探究学舎とのコラボレーションで「BUSHO BUSHO-BU ~戦国武将のうた~」を作り、それからいろいろ頼まれるようになったんです。僕の中では暗記ソングというよりは、「お役立ちソング」だと思って作っています。
曲作りは「メロディと歌詞がピタッとはまる」感覚を大事に
窪田:フレーズがとても印象的ですよね。自然と頭に入ってくるようなリズムや歌詞はどうやって作られているのですか?
柿島:僕が歌を作るときに一番大事にしているのが、1回聞いたら、すぐに鼻歌で歌えるくらいの「簡単さ」なんです。1曲にいろいろな知識を詰め込むこともできますが、なるべくシンプルにして、メロディと歌詞がピタッとはまるようにしています。曲を作るというよりは、「発見」に近いかもしれない。
窪田:発見とは?
柿島:すでにどこかにあったんじゃないの?というくらい、ピタッと自分の中ではまる瞬間があるんですよね。新しく作り出したというよりは、すでにあったものを見つけたような感覚です。言葉と音が、「これしかない」というところにはまる感じなんです。