【産業天気図・住宅/マンション】低金利や住宅取得支援策が下支えするが、景気低迷の長期化が本格回復の重しに
12年4月~12年9月 | 12年10月~13年3月 |
12年度の住宅・マンション業界は、1年を通じて冴えない天候が続きそうだ。もっとも、景気の回復具合次第では、後半にかけて晴れ間が見える可能性もある。
目下、住宅需要の本格回復への重しとなっているのが、長引く国内景気の低迷だ。
東日本大震災以降、住宅購入を考える消費者の絶対数は従前に比べると大幅に減少している。ただ一方で、1次取得者を中心とする需要には根強いものがあり、検討客が実際に購入に至る“歩留まり”の面では高水準を持続。母数の減少を打率の高さで補えていたため、昨春の大型連休から夏場にかけては業界内でも楽観論が大勢を占めていた。
ところが、8月の米国債の格下げ前後から徐々に風向きが悪化。欧州の債務不安や歴史的な円高の進行などが重なり、国内景気の先行き不透明感が強まるにつれ、消費者の住宅購入マインドも秋口辺りから次第に冷え込んでいった。こうした状況を映し、国土交通省発表の新設住宅着工戸数は昨年9月から今年1月まで前年同月割れが続いている。
ただ、逆風一辺倒というわけでもない。住宅ローン金利は引き続き低水準で推移する見通し。フラット35Sや住宅ローン減税など政府の住宅取得支援策も継続されることになった。12年度からは被災地での復興需要もいよいよ本格化していくことが期待されている。これらの要素が下支え要因となり、景気の回復具合いかんでは、年度後半にかけて業界全体に晴れ間が広がる可能性もある。