美しくも崩壊したファンタジー世界が舞台のフランス製RPG『エクスペディション33』日本のRPGから大きな影響を受けて200万本達成

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それこそ『ファイナルファンタジー7』のように、仲間として一緒に過ごしていたキャラクター(しかも恋愛感情といえるようなものが見て取れる間柄)が死んでしまったら驚くし悲しいわけだが、いきなり誰かの恋人が死んだと言われても、適当に「お悔やみ申し上げます」と返すほかない。

これ以外にも唐突なストーリー展開が多く、もっと段階を踏んだ物語にしてほしいと感じたのが正直なところである。こういったストーリー展開は、JRPGではなかなか見られないかもしれない。

日本のゲームが世界に影響を与えているのは確実

スキル演出のカッコよさはかなりのもの。リアル等身のキャラクターだと地味な動きになりやすいのだが、本作はファンタジーのよさが活きている(画像:Steamより)

さて、ここまで何度も「JRPG」という単語を書いてきたが、実はJRPGとは定義が難しいものである。

『エクスペディション33』は前述のようにフランス生まれのゲームらしさを持つし、開発者は「アートワークにおいてはJRPGを真似していない」と明言している。そもそもフランス生まれでは「J」ではないだろう。

RPGの源流はテーブルトークRPG(紙・ペン・サイコロなどを用いて卓上で遊ぶゲーム)であり、そこからコンピューターで遊ぶRPGが生まれた。日本で大きなブームのきっかけとなったのはさらにその後に出た『ドラゴンクエスト』シリーズであり、一口にRPGといってもいろいろな流れがある。

その後も日本ではさまざまなRPGが登場した。『ファイナルファンタジー』、『ポケットモンスター』、『サガ』、『テイルズオブ』、『ペルソナ』、『ゼノブレイド』など、一口にJRPGといえどもさまざまな内容・方向性となっているうえ、日々進歩している。傾向はあれどJRPGとは掴みどころのないジャンルといえる。

少なくとも確実にいえるのは、そういった日本のRPGの流れを汲んだ作品のひとつが『エクスペディション33』なのである。日本のゲームが世界に影響を与え、そこから高く評価される作品が生まれたのだ。遠いフランスのゲームといえども、日本人が注目するのは当然といえる。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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