万博でも話題の「空飛ぶクルマ」メーカー/政府が取り組む中国の本気度
空飛ぶクルマというからには、日本だったら普通免許で空を飛べなければ意味がない。
「これ、自動車の免許で飛ばせるんですか?」と説明員に確認したところ、英語が得意でない(ほとんどの説明員は英語を話すのを嫌がる)その人は「イエス、オーケイ」と言った。
もし自動車の免許で飛べれば、本当の意味で“空飛ぶクルマ”だ。
ホンチの空飛ぶクルマは「天眼1号」と名づけられていた。印象は重厚。

真っ赤な毛書体で「紅旗」と印されたディスプレイと、アームとモーターとブレードを上に載せた真っ黒い車体の未来感とに、強い違和感があったのがおもしろかった。
ホンチが属するFAW(中国第一汽車集団)によると、目標は200kmのフライトをこなすことで、2025年に最初の飛行テストを行う計画なのだそう。操縦の複雑さを回避し、「できるだけ自動操縦に」というのも、ある意味、現実的な目標だ。
キーワードはローアルティチュード・エコノミー
チャンガンとシャオペンが展示していたのは、電気モーターによる、いわゆるeVTOL(イーブイトール=電動垂直離着陸機)。
チャンガンは、2024年に無人eVTOLの大手、イーハン(EHang)社との協業を発表していて、「低高度飛行の交通システムにより未来のエコシステムの技術開発に注力していく」と声明を出していた。ショーでの展示は、その実物だ。

6つの電気モーターをそなえた機体は、いかにも軽そう。コクピットには、ほとんどなにもない。やはり自動操縦技術が採用されるようだ。
「ローアルティチュード(低高度)エコノミーは中国国内で伸びていく可能性をもった業界で、工業情報化部も開発の後押しをしています」。チャンガンは、イーハンとの協業を発表した際のプレスリリースにそう書いている。
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