万博でも話題の「空飛ぶクルマ」メーカー/政府が取り組む中国の本気度

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シャオペンもユニークな構想を抱いている。同社のブースには、デザイン的にも尖ったドローン型の機体が置かれ、そのとなりには6輪車。シャオペンの別会社「エアロHT」からの出展だ。

エアロHTは、やはりeVTOLを使うが、シャオペンの構想はほかと違いユニーク。専用車両を開発し、eVTOLと車両とを合体させる。

シャオペン(エアロHT)が提案する「ランドエアクラフトキャリア」(筆者撮影)
シャオペン(エアロHT)が提案する「ランドエアクラフトキャリア」(筆者撮影)
「ランドエアクラフトキャリア」の車内に格納されるeVTOL(筆者撮影)
「ランドエアクラフトキャリア」の車内に格納されるeVTOL(筆者撮影)

「ランドエアクラフトキャリア」がコンセプトで、目的地まで車両で入っていったあと、後部からeVTOLを降ろす形だ(映像では自動で車内から出てくる)。

全長5.5mのランドエアクラフトキャリアが6輪である必然性は確認できなかったが、eVTOLの荷重を受け止めるには、後輪が2輪では耐えられないのかもしれない。現段階ではまだ実用化されていないので、単にコンセプトなのかもしれないが。

リア部が開いてeVTOLを収納する構想(筆者撮影)
リア部が開いてeVTOLを収納する構想(筆者撮影)

ただし、エアロHTでは2026年の販売を考えているといい、価格の目安は50万USドルとか(1ドル=約140円として7000万円)。2025年1月にラスベガスで開催されたCESで発表したところ、すでに予約注文数は3000件にのぼっているという。

エアロHTのホームページをみると、eVTOLでアクセスするハブ(オフィスとか別荘とか)の構想も紹介されていて、新しいライフスタイルの提案としても評価されているようだ。

政府も専門部署を作る本気

先のチャンガンは、空飛ぶクルマ事業を実用化するにあたって「今はクリアしなくてはならない規制がいろいろある」としているが、中国では今、特区を設けて実験を進められるようにしていると報道されているのもすごい。

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深圳を中心に、蘇州、杭州、合肥、成都、重慶といった都市が特区に選ばれている。さらに専門部署を政府内に立ち上げて、低高度飛行による新たなインフラ作りと、そこから商機を拡大していこうとしているようだ。

中国は“空飛ぶクルマ”に本気なのである。

【写真】改めて見てみたい「空飛ぶクルマ」の姿
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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