不況下の小売り優等生・アウトレットに異変 品定めするアパレル

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 

昨年6月、老舗モールが「アウトレット」の看板を下ろした。1993年に国内初のアウトレットモールとして誕生した埼玉県ふじみ野市の「アウトレットモールリズム」だ。

開業当初は40のブランドが出店していたが、2000年以降退店するテナントが出始め、閉店時にはわずか数店しか残っていなかった。運営するエス・オー・ダブリューは「規模が小さく、施設を広げる余地もない。このままアウトレットとしてやっていっても、2強(三井不動産とプレミアム・アウトレットを運営するチェルシー・ジャパン)に太刀打ちできない」と話す。同商業施設はイオンモールの力を借り、7月にSCとして新たに出直す計画だ。

08年に大阪コスタモール、09年には千葉のコンサート長柄が閉鎖するなど、アウトレットが廃業するのは初めてではない。が、当時とは状況が異なる。アウトレット市場は00年以降、年率5%以上の成長を続けてきたが、11年は前年比約2%の成長にとどまったとされる。東日本大震災の影響があるものの、業界内には「一時の勢いはない」(大手デベロッパー)との声も出始めている。

アウトレットの“減速”について、船井総合研究所の岩崎剛幸上席コンサルタントは「完全にオーバーストア状態」と分析する。実際にアウトレットはこの5年間で全国に8カ所増加。既存施設の増床も積極的に行われている(表)。

 

 

 

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事