「子どもの心の病」原因の多くは親?見逃しNGなサインとGW明けに注意すべきこと 学校を休ませる基準「いじめと体罰のみ」の訳

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パニック障害
「パニック障害」は、何らかの出来事が引き金となり、過呼吸、手の震え、極度の汗、動悸が速くなる等の症状を何度も経験し、結果として生活に支障をきたしてしまう心の病です。学校で嫌なことがあった後に学校のことを考えただけでパニックになる等、問題の原因について考えるだけでパニックになることもあります。原因の根本を極度に避けようとするのも、よくあるサインです。

上記のサインが見られる場合、自己判断はせず、心理カウンセラーや心療内科医・精神科医に相談することが望ましいです。

GW明けに増える心の病は?学校は休ませるべき?

GW明けに罹患しがちな心の病は、適応障害です。長期休暇後の登校は、子どもによっては大きな環境の変化となり、適応できずに発症します。あるいは、もともと発症していたうつ病や不安障害が悪化してしまい、明らかなサインが見られる場合もあります。

荒川龍也(あらかわ・たつや)
カリフォルニア州公認心理カウンセラー
富山生まれ、名古屋育ち。小学校高学年頃からいじめなどが原因で心の病を患う。中学時には教師からの体罰に苦しみ、いじめが原因で不登校に。16歳で高校中退。2年間のカウンセリングを受けた後、夜間高校に入学。話を聞くことにより下級生の高校中退を何度も防いだことを通じて、話を聞くことの力を知る。アメリカに短期留学した後、心理カウンセラーを目指して渡米。カリフォルニア州立フラトン校大学卒業、同校大学院カウンセリング専攻卒業。カリフォルニア州公認心理カウンセラーの資格を取得し、現在はロサンゼルス近郊で開業して心理カウンセリングを提供。専門は、子どもとその家族、不安とうつ病、アダルトチルドレン
(写真:本人提供)

こうした兆候があった際、学校を休ませるべきか、判断に迷うこともあるでしょう。しかし、“学校を休ませるべき基準”は明白です。それは、いじめで苦しんでいる場合と教員からの体罰で苦しんでいる場合です。なぜか日本社会は加害者に対して確固たる厳罰が与えられないだけではなく、加害者を守ろうとする傾向が強く、被害者ばかりが損をしがちですが、子どもの心身を守ることを最優先するためにすぐに学校を休ませるべきです。

一方、いじめと体罰以外で心身の危険がなければ、心の病に対しては「保護者や先生がどう接すれば、子どもが登校できるか」というスタンスを取るべきです。なぜなら、人は生きていれば何らかのストレスを受けるものであり、ストレスとの向き合い方を学ばなくてはいけないからです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事