「子どもの心の病」原因の多くは親?見逃しNGなサインとGW明けに注意すべきこと 学校を休ませる基準「いじめと体罰のみ」の訳

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教員は子どもや保護者とどう向き合うべきか?

学校の教員は、子どもが心の病に罹ったらどうすればよいでしょうか。まずは、腫れ物に触るような扱いは避けましょう。突然態度を変えられるのを子どもは一番嫌がります。しかし、教員が子どもの心の病の原因の1つである可能性を否定しきれない場合は、教員の接し方が威圧的になっていないか、もしくは自由を与えすぎていないかを見直しましょう。保護者同様、教員も子どもに与える自由とコントロールのバランスが大切です。

また、時間を取って子どもの話をじっくり聞いてあげることも、子どもの心の病の緩和につながります。実際に私も、高校を辞めた後の苦しい期間に中学時代の先生方に何度も何度も話を聞いていただきました。専門家としてその当時を振り返り、どれだけ助けになっていたのか実感しています。

しかし前述のとおり、子どもの心の病は、家庭環境が影響していることが少なくありません。そのため、教員と保護者は、学校と家庭の子どもの状態をできる限り共有し、子どもへの接し方で見直せるところをお互いに指摘し合えるような信頼関係を築くことが理想的です。先生方の多忙な現状を考えると難しいことは重々承知していますが、学校が保護者に優しく寄り添いながらも変化を促せると、子どもの心の状態が改善できます。

一方で、教員はカウンセラーではないので、治療はできないと保護者に理解していただくことは大切です。また、学校などに責任を丸投げする保護者には、子どものために断固たる姿勢で接し、責任所在を明白にするなどの線引きも必要でしょう。

校内の連携としては、教員も自分は心の病を治療する専門家ではないことを理解し、スクールカウンセラーに子どもの学校での様子をできる限り共有してください。スクールカウンセラーが教員から情報をもらえないという声をよく聞きますが、これでは心の病の治療が難しくなります。子どもによっては、心の病の原因が担任でなくても、担任以外の教員に心を開きやすいこともあります。その際は、担任はあまり自責の念を強く持ちすぎず、その子どもが接しやすい先生と連携を密に取ることが大切です。

(注記のない写真:Graphs/PIXTA)

執筆:カリフォルニア州公認心理カウンセラー 荒川龍也
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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