ロスに捧ぐ「御上先生」の裏側、なぜあんなにもリアル?脚本家・詩森ろば×寺田拓真に聞く 【前編】「私なら違う」でも考えるきっかけに

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教育行政に携わる方が「明日から頑張ろう」とやる気になってもらえるドラマにしたかったんですよね。「御上先生」では行政官の悔しさも描いたからか、経産省の方からも「みなさん熱心に見ていますよ」とおっしゃっていただきました。

寺田 現場の先生がドキッとしそうな話題も盛り込まれていましたね。第5話で生徒がビジネスコンテストに出場することを「大学入試のため」とサラリと言ってみたり。

詩森 そもそもビジコンって得かどうかではなく、やりたいから出るものじゃないかなと思って。私は普段、教育現場にいるわけではないので、「大学入試のためにボランティアをする子がいる」と聞いて衝撃を受けたんですよ。

学歴社会に対する批判は昔からありますが、私は「人間性で判断するのはもっと難しいのではないか?」と思っていまして。今、まさにその状態になっている気がします。ビジコンは得にならなくてもやりたい人が出るものだと思いますし、私が教育関係者ではないからこそ感じた違和感を、あえて作品に入れました。

寺田 それは詩森さんが丁寧に取材をされたからこそでしょう。きちんとした裏付けがあり、ドキッとさせられるドラマだとわかっているから、教員も真剣に見ているのだと思います。

詩森 ドキッとすることだけでなく、取材で「素敵だな」と思ったことも入れました。実際に学校教育に関わる方に「リアルだ」と感じてもらえるよう、少しでも「リアリティがない、アンリアルだ」と言われたら、すぐ修正します。

寺田 岡田将生さん演じる文科省官僚の槙野が、深夜に自転車で届け物をする様子もリアルでしたね。リアルさにこだわるのはなぜですか?

詩森 私自身がリアルなものが好きですし、その職業の方から「現実的じゃない」と言われるものを書いてもしょうがない気がして。リアルを大切にしても、ちゃんとドラマチックになるんです。そもそも官僚が私立高校に派遣されること自体は、アンリアルですから。細かいことを徹底的に調べた上で嘘をつくようにしています。

後編に続く

(注記のない写真:©TBS)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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