Jフロントリテイリングはパルコに33%強出資し持分法適用会社化。「脱・百貨店」戦略を推進

Jフロントリテイリングはパルコに33%強出資し持分法適用会社化。「脱・百貨店」戦略を推進

百貨店の大丸、松坂屋を運営するJフロントリテイリングは3月下旬、ファッションビル大手のパルコ<8251>に33.22%出資し、同社を持分法適用会社とする。現在、パルコの筆頭株主である森トラストが保有する持ち分を、1株1100円、総額約301億円ですべて引き受ける。

Jフロントリテイリングの奥田務会長兼CEOは、かねてから「新百貨店モデル」のスローガンを掲げ、店舗内への「ユニクロ」「ポケモンセンター」などのテナントの積極誘致や販売人員の削減など、経営の合理化を推進してきた。「百貨店だけでは生き残れないという強い危機感があり、別の事業の柱を模索してきた」(業界関係者)。

パルコは渋谷、池袋、名古屋など都心部の好立地を中心に、全国に19のファッションビルを展開。近年は、JRグループが運営するライバルのルミネに押されがちだが、多くの自社物件を保有する強みを生かし、毎期90億円前後の営業利益を安定して稼いでいる。20~30代の若い層を顧客基盤とし、40代以上が顧客の中心を占めるJフロントとは補完関係にある。

さらなるパルコ株の買い増しについて、Jフロント側は現状では否定している。ただ、昨年2月にパルコに約12%出資し、都心部での商業施設の強化を目指したイオンは、今回森トラストの保有株を譲受することを見送った。筆頭株主になる機会を逃したことで、イオンが保有を継続する合理性は薄れ、早晩手放すという見方が優勢だ。

また、日本政策投資銀行も2010年8月に、パルコから株式18.7%相当の新株予約権付き社債(転換社債、150億円)の発行を受けている。Jフロントはこの2社からの株買い取りにより、過半の株式を取得してパルコを子会社化することも視野に入れているとみられる。

「(17年に建て替え開業の)松坂屋銀座店など、小型店をパルコに転換していくのでは」−−。業界内では、早くも2社のシナジーをめぐり、思惑が飛び交う。とくに松坂屋とパルコが隣接する名古屋での展開には注目が集まりそうだ。

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