ベンツ、ポルシェ、レクサス…「1000万円以上の新車」を購入した人の実態をデータから分析
これは、今回対象となる車種の7割がラージサイズミニバンのアルファード/ヴェルファイアであるためだ。近所へのちょっとした外出・買い物、通勤などには、別のコンパクトなクルマを使っていると思われる。
レクサス、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、BMWでは「2台以上」の割合は、いずれも6割前後であまり差はない。一方でアウディは同45%と、2台以上持っている人が一気に少なくなる。
最後に、購入時に比較検討した車種があったのかどうかを確認してみよう。
比較検討なし(=指名買い)を多い順に並べると、「トヨタ>レクサス>メルセデス・ベンツ>ポルシェ>BMW>アウディ」となる。トヨタ、レクサスと日系メーカーの強さが浮かび上がる結果となった。
ちなみに「ジャーマン3」とまとめられることが多いメルセデス・ベンツ、BMW、アウディであるが、1000万円以上に絞らなくても、ほとんどの場合、指名買いはこの順序となっている。
先ほど見た通り、BMWとアウディのみ値引き額がほかと比較すると大きかった。よって、「他社と比較される割合の多さ」→「その比較状況下で購入してもらうための値引き」の構造が見えてくる。
伝統あるメーカーの強さは続くのか
今回は「1000万円以上の新車を購入した人々」を対象に分析を進めてきた。アル/ヴェルの特異性はここでも見えたわけだが、メルセデス・ベンツとポルシェの強さも改めて浮かび上がった。

一方、メーカーの視点で考えると、日本市場とグローバル市場の双方において難しい問題を抱えているといえる。日本市場においては長く続く景気低迷、少子高齢化によるマーケットの縮小が続き、北米や中国、ASEANを中心とするグローバル市場では、中国メーカーの台頭に伴うシェア縮小が起きているからだ。

これらを踏まえ、各社からは1台あたりの利益をこれまで以上に増やそう動きが昨今、見えている。今までよりも顧客満足度を高めるために、そして他社との違いを明確にする動きは増えていきそうだ。
今回は「1000万円」で線引きをしたが、今後はよりラグジュアリーなポジションにシフトする傾向が、さまざまな価格帯で起きていくのではないだろうか。
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