会場の屋外では、昨年10月のアメリカ・LAオートショーでワールドプレミアし、韓国で4月から先行予約が始まったばかりの大型SUV・EV「IONIQ 9」の試乗会も開催された。
筆者も、会場周辺の市街地と高速道路で6kmほど試乗したが、IONIQ 5やIONIQ 6よりも、さらに上級感・高級感がある、ゆったりとした乗り心地を堪能した。

ソウルモビリティショーでは、ほかにもメルセデス・ベンツ/マイバッハ、BMW/MINI、ポルシェ、BYD、ロータスなど、国内市場の約4分の1を占めるラグジュアリーブランドが出展していたが、日本メーカーの出展はなかった。

韓国トヨタ関係者によれば、自社で販売店と共同展開する新車訴求戦略に重きを置いているという。
また、自社で展開するブランド訴求施設もあり、今回はそのうちのひとつである「CONNECT TO LEXUS」を視察した。日本のレクサスブランド訴求施設などを参考に、韓国の「人と社会をつなげること」をモットーとした作りとした施設だ。
「ヒョンデ×トヨタ」コラボのインパクト
「人とのつながり」では、韓国の芸術家や農産物生産者などと連携した、作品や商品を紹介するコーナーが目を引いた。
また、一般向けのカフェコーナーの奥には、トヨタ/レクサスのオーナーが無料で貸し切ることができる、大きなスペースがある。20〜30人ほどが入れて、ひと組あたり2時間利用できる。

その中で流れていた動画は、昨年10月に韓国で開催された「Hyundai N x TOYOTA GAZOO Racingフェスティバル」の模様だった。
モリゾウこと豊田章男会長がドーナツターンを披露した「ヤリスWRC」の助手席には、ヒョンデの鄭義宜(チョン・ウィソン)会長の姿が見える。
韓国トヨタ関係者がその映像を見ながら「韓国では、とてつもなく大きなインパクトがあった」と話す。また、別の場所で話を聞いたヒョンデ関係者や韓国のベテラン自動車ジャーナリストも、「大きなインパクトだ」と口を揃えた。

その背景には、1990年代から2000年代にかけて、日本メーカーを猛追し始めたヒョンデの姿や、政治面での日韓関係の推移など、さまざまな側面があると思う。
そうした中で、次世代に向けてヒョンデとトヨタの友好関係が経営トップレベルで築かれることは、グローバル規模で見て自動車産業界全体にとってプラス要因だと、韓国の地で感じた。
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