パドルシフトで回生力を変えることで、進入速度が直感的につかみやすく、クルマ全体の挙動が安定していることも、付け加えておこう。
ステアリング操作に対するクルマの動きは、全体がキッチリと締まっている感じがあるが、電子制御サスペンションによる最適化により、決して乗り心地がゴツゴツすることはなく、コーナーを驚異的なスピードで駆け抜けていく。
ドリフト走行でのコントロール性も高い。少しオーバースピードでコーナーに侵入して、アクセルを大きく開けてリアスライドを誘発。最新バージョンでは、ドリフトのしやすさをコントロールする「N ドリフトオプティマイザー」の手動調整枠が広がっている。

こうした一連の車内操作とクルマの動きは、まるでシミュレーターゲームをしているかのような、独特の世界感がある。テスラ、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、日産、そしてトヨタなど、他のEVとヒョンデのEV開発の方向性が違うことを、この「N」が証明している。
今回、ヒョンデ・ドライビングエクスペリエンスに参加したこの地は、ヒョンデ創業者の鄭周永(チョン・ジュヨン)氏が現代建設の事業として沿岸部を開拓したものだ。
貯水湖を作り、塩分を徐々に削減することで稲作を可能とし、現在でも米を生産して社員食堂用として使用し、一般向けにも販売している。
ソウルでは新型「IONIQ 9」を試す
次は、話をソウルに向けてみよう。
ソウルモビリティショー2025では、ヒョンデ、キア(起亜)、ジェネシスというヒョンデ・グループ3ブランドの存在感が強い。国内需要の約8割をこの3ブランドが占める。
今回の目玉は、ヒョンデの燃料電池車(FCEV)の第2世代「NEXO(ネッソ)」と、日本には未導入の「IONIQ 6」の大幅改良モデルが発表されたこと。

また、キアブランドでは、大手商社の双日が2026年に日本導入予定だという商用EVの「PV5」を発表した。このPV5は、商用のみならず、乗用ライトキャンパーとしたコンセプトモデルも展示し、来場者の注目を集めていた。
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