
4月上旬に韓国を訪れ、現代自動車グループ(以下:ヒョンデ)の実像に触れた。
韓国自動車ジャーナリスト協会のサポートにより、「ソウルモビリティショー2025」の取材、大型SUV・EV「IONIQ 9」の市街地試乗、中型EV「IONIQ 6」や小型EV「キャスパー(日本仕様はインスター)」などでの長距離試乗ができたのだ。

また、ソサン市でヒョンデとハンコックタイヤが共同運営する、敷地面積125万平米のテストコース「テクノリンク」で、ハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N」を使ったドライビングエクスペリエンスにも参加。
さらに、韓国トヨタ自動車の販売店向け教育施設や、レクサスのブランド発信拠点にも訪れ、韓国自動車市場の現状について詳しく話を聞いた。
これから先は、体験した時系列ではないが、インパクトが強い体験を主体に話を進めていこう。まずは、IONIQ 5 Nの最新バージョンが見せてくれた“走りのすごみ”からだ。
まるで本格的なレーシングカー
天候は気温摂氏10度で雨。そんな条件下での3.4kmのサーキット走行となったが、クルマの限界が極めて高いことに驚いた。
IONIQ 5 Nは、約1年前に千葉県内の袖ケ浦フォレストレースウェイでドライ路面を走行しているが、今回のような滑りやすいウエット路面では、コントロール性の高さがよく分かる。

最大出力175kW・最大トルク370Nmを発揮する前輪と、303kW・400Nmの後輪による加速は、「ドカン!」という衝撃というよりも、「グイグイグイー」と先へ先へと突き進むような感じだ。
しかし、かなりのハードブレーキをかけても「本当に車重が2200kgもあるのか?」と疑いたくなるほど、短い距離で効率よく減速する。まるで本格的なレーシングカーだ。前輪の大容量ブレーキディスクと、4ピストンモノブロックキャリパーの威力は絶大だ。
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