帝国ホテル社長「日本的価値観に基づいたホテルを造る」。4月に就任した風間淳氏インタビュー

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帝国ホテル 社長 風間淳氏
風間 淳(かざま・じゅん)/帝国ホテル 社長。1962年生まれ。86年明治大学卒業、帝国ホテル入社。人事や営業、企画部などを経て2025年4月から現職(撮影:梅谷秀司)
インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。『週刊東洋経済』4月26日・5月3日合併号の特集は「ホテル高級化大戦」。隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。
『週刊東洋経済 2025年4/26・5/3合併号(ホテル 高級化大戦)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

──プロパー社員で東京総支配人経験がないトップは初です。

2025年1月末の指名報酬諮問委員会で指名されたのだろう。直後に定保英弥社長(現会長)から呼ばれ、「これまでやってきたことと、これから帝国ホテルが取り組まなければならないことを考えると、社長は君しかいないだろう、頑張れ」と言われた。

私はフロントから経理や労務、人事、営業部、総支配人室までほぼすべての部門を担当した。このような「何でも屋」は少ない。

その時々で帝国ホテルの事情があり、目的に沿った人材が社長になった。東京の総支配人が社長に就任する条件だとは思わない。

京都開業は定保会長の夢だった

──長年準備を担当した帝国ホテル 京都が26年春に開業予定です。

ハード面では遅れがなく、人材も25年4月にほぼ全員が入社した。1年前から採用を行い、徹底的に鍛える。開業直前に採用するホテルもあるが、当社のプロパーを中心に育てていく考え方は変わらない。今期は人件費が重くなるが、それは仕方がないと思っている。

すでに東京と大阪にある中、京都にも出したいとの考えはあり、開業は定保会長の夢だった。18年に祇園の歌舞練場から声がかかり、帝国ホテル 京都を開発するに至った(歌舞練場敷地内にある弥栄(やさか)会館を保存活用)。

京都の客室数は55部屋で、同規模の上高地帝国ホテルと比べて人材を厚く配置する。付加価値を高め、他社の最上位のホテルと戦いたい。日本人と外国人の宿泊比率は5:5から4:6の想定だ。

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