帝国ホテル社長「日本的価値観に基づいたホテルを造る」。4月に就任した風間淳氏インタビュー


──プロパー社員で東京総支配人経験がないトップは初です。
2025年1月末の指名報酬諮問委員会で指名されたのだろう。直後に定保英弥社長(現会長)から呼ばれ、「これまでやってきたことと、これから帝国ホテルが取り組まなければならないことを考えると、社長は君しかいないだろう、頑張れ」と言われた。
私はフロントから経理や労務、人事、営業部、総支配人室までほぼすべての部門を担当した。このような「何でも屋」は少ない。
その時々で帝国ホテルの事情があり、目的に沿った人材が社長になった。東京の総支配人が社長に就任する条件だとは思わない。
京都開業は定保会長の夢だった
──長年準備を担当した帝国ホテル 京都が26年春に開業予定です。
ハード面では遅れがなく、人材も25年4月にほぼ全員が入社した。1年前から採用を行い、徹底的に鍛える。開業直前に採用するホテルもあるが、当社のプロパーを中心に育てていく考え方は変わらない。今期は人件費が重くなるが、それは仕方がないと思っている。
すでに東京と大阪にある中、京都にも出したいとの考えはあり、開業は定保会長の夢だった。18年に祇園の歌舞練場から声がかかり、帝国ホテル 京都を開発するに至った(歌舞練場敷地内にある弥栄(やさか)会館を保存活用)。
京都の客室数は55部屋で、同規模の上高地帝国ホテルと比べて人材を厚く配置する。付加価値を高め、他社の最上位のホテルと戦いたい。日本人と外国人の宿泊比率は5:5から4:6の想定だ。
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