マイナンバーカードの認証で転売防止、ハロプロコンサートで実証実験。QRコードチケットと顔認証で入場をスムーズに

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ただ、欠点がないわけではない。

まず、実際にコンサートに来場しようと思っていた人が、病気になったり、仕事などでスケジュールが合わなくなった場合、現状では他人に譲る方法がないので、無駄になってしまう。このあたりは(現状はあくまで実証実験なので)、今後、公式リセールなどのシステムを構築していくという。

現時点ではマイナンバーカードを一部使って実証実験しているが、100%マイナンバーカードでの購入を前提とした場合、使いこなせない人や、抵抗のある人がないかどうかはまだ検証の必要がある。

ファンビジネスでは、チケットを購入するために家族の名前を使って複数のアカウントでファンクラブに入会するのが当然となっていることもあるという。複数アカウントを使う人が多いから、潤沢なファンクラブ会費収入が確保できるという状況もあるようだ。また、複数アカウントで入手したチケットをファン同士で融通したり、それがちょっとした小遣い稼ぎになっているような人もいるという。

販売者側が転売対策に積極的ではない場合も

また、フィギュアや、一部の高額商品では、転売や買い占めなどで価値が上がることが前提となっている場合もあるようで、そうした分野においては販売者側が、転売対策に積極的ではないかもしれない。

そうした状況では、このマイナンバーカードを利用した購入が好まれない可能性もあるが、低コストで正しい対策が可能になるという意義は大きい。正しい認証方法が成立することで、業界の仕組み自体も変わっていくだろう。

コンサートやスポーツのチケットにしろ、ガジェットやフィギュアなどの物品にしろ、本当に好きな人が適切な価格で購入できて、主催者や製作者に適切なお金が入るシステムが構築できるようになるというのは大切なことだ。デジタル庁の取り組みを応援したい。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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