
SNSでは、つい自分の見たい情報だけを見てしまうことはないでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)
日常ではSNS、仕事の場面ではメールやプレゼン資料まで、現代では誰もが「書く」ことを求められます。しかし、同時に言葉の表現や読み違い、コミュニケーション不足などから、炎上と呼ばれるような大きな社会問題へと発展してしまう事例も増えています。
日本の識字率は100%に近いですが、私たちは本当に言葉を正しく読み書きできているのでしょうか。
30万部超のベストセラーとなった『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の待望の続編となる『シン読解力』では、シン読解力(教科書を正確に読み解く力)と学力やビジネスとの関係を明らかにします。
新聞記者として活字と向き合い、現在もテクノロジーや社会・経済の変化を長年追ってきたジャーナリストの佐々木俊尚さんに、前編の記事に続きシン読解力について聞きました。
デジタル・デバイドの裏にあるシン読解力
シン読解力の低い人は、日常生活の一つひとつのハードルが高くなっていきます。
例えば、電子マネー。QRコード決済でお金を払うという行動一つとっても、まずはスマホを取得し、アプリをインストールします。
そしてお店に入ったら、バーコードをこちらが見せるのか、あちらのQRコードを読み込むのか判断する。
そして、残高がゼロにならないように、時々チャージをするのかオートチャージにするのか。
オートチャージにするには、クレジットカードや銀行口座の登録が必要……というように、踏むべきプロセスがたくさんあるわけです。
そういった細かい作業の積み重ねによって非常に高度なデジタル時代が成立しているので、デジタルリテラシーのない人にはついていけない。
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