【輸入車ナンバー1】第4世代「ミニ」発売から1年を経た今「売れている理由」を解き明かす

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そしてもうひとつ、第4世代で大切なのは最先端のインフォテインメントで、クルマの新時代を感じさせるものであった。ニューミニのインテリアの特徴は、クラシックミニ時代のオマージュのひとつである、センターの大きな丸いディスプレイにある。

スピードや燃料などの表示からエアコン・ナビの操作まで、すべてこのディスプレイが担う(筆者撮影)

その表示は、ドライバー前のメーターと連動しつつ、7種類にも変化させることができる。そのうち、「ゴーカート」を選べば、エンジンのふけ上がりがよりシャープになり、スポーティな走りを楽しめる。「グリーン」であれば省燃費走行が可能だ。また、「タイムレス」「ヴィヴィッド」「バランス」を選べば、グラフィックに合わせて室内の雰囲気が変化する。ナビ画面の色まで変更させるという、念の入りようだ。これには感心した。

さらに、カーナビには最新のAR機能が追加されている。カメラで撮影した実車の前の風景に、矢印などを被せてディスプレイ表示するというものだ。これまでドイツの一部プレミアム車で採用されていた機能が、ニューミニにまで降りてきた格好だ。

ARを採用したナビは、実際の映像に矢印などの案内を表示する(筆者撮影)

また、ニューミニ専用のAIアシスタントだけでなく、AlexaやSiriなどにも対応。専用AIアシスタントは、可愛らしいキャラクターが表示されて応答してくれる。これだけでも楽しい。

また、YouTubeやSpotify、Amazon Musicなどのアプリも利用可能だ。操作方法は、スマートフォン風であり、普段スマートフォンを使用している人には苦にならないだろう。

ちなみにこうしたソフトウェアは、BMWをはじめ、いろいろなメーカーが試行錯誤している。ニューミニと同じ機能を持つクルマも多いけれど、ニューミニほどわかりやすく、かつ前面に出ているクルマはないと筆者は感じる。これは、ソフトウェアによる“新しい体験”だ。

これこそ、今注目を集めているSDV(Software Defined Vehicle)の重要な部分である。SDVの価値のひとつは、ソフトウェアによって、クルマに新しい魅力をプラスするというもの。その例として、新型ニューミニのソフトウェアを挙げることができるだろう。ニューミニに乗れば、SDVの価値に触れることができる。

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まとめてみれば、ニューミニが売れる理由は、「全タイプをひとつにまとめたこと」「クイックな、走りの楽しさ」「デザインの良さ」「ソフトウェアによる新しい体験」。こうした魅力があることが、輸入車ナンバー1の地位を守っていると言えるだろう。

【写真】現行ミニ各モデルのデザインやディテールを見る
鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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