【輸入車ナンバー1】第4世代「ミニ」発売から1年を経た今「売れている理由」を解き明かす
そこで、ニューミニの中でも主力モデルとなる5ドアモデルの「ミニ・クーパーS」(477万円)を借りて確かめてみた。その印象を中心に、製品としてのニューミニの魅力を探っていこう。

第4世代となったニューミニには、ICEとBEVの両方がある。しかし、5ドアモデルにはICEしかない。直列3気筒1.5リッターと直列4気筒2.0リッターのガソリンターボだ。
今回、試乗した上位版のミニ・クーパーSには、2.0リッターのほうが搭載されている。組み合わされるトランスミッションは7速DCTだ。
このエンジンは、最高出力150kW(204PS)/最大トルク300Nmを発揮する。1450rpmという低い回転で最大トルクが発生するし、デュアルクラッチ式を採用したトランスミッションは、アクセル操作に対して加速はダイレクト感にあふれる。クーパーの名に恥じぬ、スポーティな走り味だ。

そして、街中から高速道路までを走って感じるのは「走り味が過去のニューミニの延長線上にある」ということ。ハンドリングはクイックで、俊敏な身のこなしが楽しめる。
このクイックなハンドリングは、ストローク感の少ないゴツゴツとした乗り心地と引き換えに手に入る特性だ。ご存じの方も多いはずだが、おさらいとしてその理由を説明しておこう。
ミニの歴史と受け継がれた走り
ニューミニの乗り味とハンドリングは、クラシックミニの特性を現代的に解釈し、再現したものだ。なぜ、クラシックミニはそんな特性を持っていたかといえば、ボディサイズに理由がある。
クラシックミニは、当時としては先進的なFF(フロント・エンジンの前輪駆動)を採用し、小さなボディサイズでありながらも、大人4人が乗れる画期的なパッケージングを実現した。一方で、その合理化の犠牲となったのが足回りだった。

ミニマムであることが追求され、ラバーコーンというゴム製のブロックがスプリングの代わりに使われた。伸縮性がないため、ほとんどストロークせず、その代わりに反応のよいハンドリングが生まれた。よくいわれる「ゴーカートフィーリング」というのが、これだ。
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