中国発のTemuやSHEINを「トランプ関税」が直撃 小額輸入品の免税特例廃止で越境ECに致命傷

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「私たちのような零細業者にとって、この大統領令は致命的だ」。アメリカのアマゾンが運営する「マーケットプレイス」上で越境ECビジネスを手がける女性経営者は、財新記者の取材に悲壮な表情を浮かべた。

彼女の商売は、長年にわたってデミニミスルールの免税特例に依存してきた。その廃止により(中国から輸出する商品の)価格競争力が失われるうえ、アメリカの顧客に品物が届くまでの時間も長くなり、受注が大きく落ち込むのを心配しているという。

デミニミスルールの廃止により、中国の越境EC事業者は大幅なコスト上昇が避けられない(写真はSHEINの国際市場向けウェブサイト)

TemuやSHEINなどの越境EC大手も、デミニミスルールを利用してアメリカの消費者に大量の商品を直送していた。それだけに、特例措置の廃止による大きな打撃が避けられない見通しだ。

事業リスクの分散図るが…

「関税や通関手数料などのコストが上乗せされるのはもちろん、税関の業務効率が低下して、通関手続きにかかる時間が大幅に伸びる。中国から商品を直送するビジネスモデルは、もはや成り立たないだろう」

アメリカで国際物流や通関手続きの支援サービスを手がける経営者は、そう言い切る。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

財新記者の取材によれば、TemuやSHEINはアメリカ市場への依存度を下げ、事業リスクを分散する対策にすでに着手している。SHEINの関係者によれば、同社にとってアメリカは依然最大の市場だが、直近の事業の成長源は主にヨーロッパ市場だという。

「ヨーロッパは単一の大市場ではなく、アメリカの代わりにはならない。とはいえ客単価に関しては(アメリカに)劣らない」。上述の関係者はそう期待を示した。

(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は4月3日

財新 Biz&Tech

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