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少人数で「ユニコーン」達成、シリコンバレー発スタートアップMercor社に見る「AIデジタルゴールドラッシュ」の最前線

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AIへの高い期待を背景に、他分野と比べてAI関連スタートアップの企業価値が突出して高く評価されているのも特徴だ。

OpenAIが3000億ドル(約45兆円)、競合のAnthropicが610億ドル(約9.2兆円)という巨額の評価額を記録した。驚くべきことに、売上や製品が市場に出る前から、目を疑うような企業価値が付いているスタートアップも少なくない。

2023年のOpenAI社CEO解任騒動の渦中にいたイリヤ・サツキバー氏が創業したSafe Superintelligence社はわずか3カ月で50億ドル(約7500億円)、その半年後には300億ドル(約4.5兆円)の評価を受けた。同騒動で、暫定CEOに就任した元CTOのミラ・ムラティ氏のThinking Machines Lab社も設立直後に90億ドル(約1.4兆円)の評価を得たとされる。

これらは突出した事例だが、AI関連スタートアップ全般の企業価値が高騰している理由はその驚くべき成長スピードにある。

SaaS企業における「T2D3」とは、ARR(年間経常収益)を「3倍、3倍、2倍、2倍、2倍」(T<トリプル>2年、D<ダブル>3年)と、創業期の5年間で72倍を目指す理想的な成長モデルの指標であり、6~7年かけてARRが100万ドル(約1.5億円)から1億ドル(約150億円)に100倍成長するペースだ。だが優れたAIスタートアップはこのT2D3を軽々と上回るスピードで成長している。

さらに注目すべきは、AIスタートアップはこの急成長を、驚くほど少人数で実現している点だ。

1人でユニコーン企業を作る時代が来る

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