日枝氏は辞めたけれど体質は変わらない? フジテレビの経営刷新に残る「3つのモヤモヤ」の正体

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フジテレビとフジ・メディアHDは経営陣の刷新を発表した。それでもモヤモヤした印象が残る(写真:K@zuTa/PIXTA)

3月27日、フジテレビとその親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の取締役会が開催され、両社の経営陣の刷新が発表された。同日付でフジテレビの取締役12人が退任、6月の株主総会で社外取締役と監査役8人が退任する予定。フジ・メディアHDのほうも6月に10名の取締役が退任する予定だ。

持ち株会社とその中核企業でこれほどの人数の取締役が一度に退任する例も珍しいだろう。旧取締役で残るのは、フジテレビの社長に留任した清水賢治氏と、フジ・メディアHDの現社長で6月に会長に退く金光修氏の2人だけだ。6月からは清水氏がフジ・メディアHDの社長を兼務する。

新体制で打ち出された3つの方向性

新経営体制の方向性は大きく3つ。①取締役の3割以上に女性を登用し世代交代も図る、②取締役の人数を減らし社外取締役を過半数にする、③役員の監督機能と業務執行機能を分離することだ。

まず取締役の3割以上が女性になったことは画期的だ。かねてテレビ局の取締役の女性比率の低さは問題だった。日本企業における女性役員の少なさは世界的にも批判されることが多いが、テレビ業界にはほかの企業の女性登用の遅れを批判する資格がなかったわけだ。

民放労連(日本民間放送労働組合連合会)はここ数年、民放の女性登用の遅れを問題視し、調査・発表していた。在京キー局の女性役員は長年ゼロだったが、2023年の調査で初めて8.3%になった。

実は民放労連の現委員長はフジテレビの女性社員だ。それなのに同社の取締役が高齢男性だらけだった情けなさからすると、女性役員が3割を超えたのは革命的だ。

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