不足する「セキュリティ人材」の育成に挑む国立高専、「サイバー攻撃への技術的対応」から「模擬記者会見」まで実践を重視した教育のリアル
通常、教員の公募は学会誌や学校のWebサイト上で実施するが、それだけでは求めている人材にリーチしないケースも多い。そこで、非常勤講師の採用にあたっては、ビズリーチと連携協定を結び、企業で活躍する傍ら高専の教壇に立つ「副業先生」を学校単位で公募。従来に比べて目的にマッチした人材を集めやすくなったという。
講義の中には、学校の枠を超えて受講できるものもある。例えば、木更津高専が実施している企業のエンジニアや大学の教員によるオムニバス形式の演習授業は、全国の高専生が受講できる「高専間単位互換科目」として設定されている。各校の始業時間やコマ割りの違いなどもあるためつねに全学生が参加できるわけではないが、「学校単位でつないで実施するケースもあり、地域を越えて実践的な講義を受けられるよう努めている」と赤松氏は話す。

外部講師による講義では、実務により近い形での実践的な演習も行われている。例えば、サイバーセキュリティ専門のエンジニアが講師となり指導する演習では、勤務先がランサムウェア攻撃を受けたという設定の下、学生たちはセキュリティ責任者の対応を体験する。
攻撃者から脅迫を受け、教員を経営層に見立てて報告したり、模擬記者会見を実施したりといった実務に近い形での体験を通し、インシデント発生時の経営層への伝え方や対外的な説明まで含めた総合的なスキルを学ぶのだ。
「防御のためには攻撃を知ることも重要なので、実際に攻撃を仕掛ける演習もありますが、併せて倫理教育も徹底しています。低学年時にはコースに関係なく全員に伝える授業を設けていますが、座学でも演習でも先生方が必ず、攻撃は防御のために学び活用するものであることを話しています」(赤松氏)
中学生も「サイバーセキュリティ」に関心
セキュリティを学びたい若者は増えているようだ。情報セキュリティコースを設ける高知高専では、入学者全体のうち同コースの志望者が最も多い状況が続いており、例年、入学者160名のうち50~60名が同コースを志望。入学時点でホワイトハッカーを志す学生も一定数いるという。
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