不足する「セキュリティ人材」の育成に挑む国立高専、「サイバー攻撃への技術的対応」から「模擬記者会見」まで実践を重視した教育のリアル

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高専授業風景
サイバーセキュリティ人材の育成に力を入れている国立高等専門学校。セキュリティエンジニアなど現場で活躍する人材が教壇に立つことも多い(写真:K-SEC)

全国に51校ある国立高等専門学校(以下、国立高専)は、独立行政法人国立高等専門学校機構(以下、高専機構)が設置する高等教育機関だ。中学校を卒業した15歳から入学でき、5年制の一貫教育を通じて社会に必要な技術者を育てている。そんな高度専門人材育成の場で今、強化されているのがセキュリティ人材の育成だ。

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サイバー攻撃に対応できる人材が不足していることを受け、高専機構は2016年から「サイバーセキュリティ人材育成事業(K-SEC:Kosen Security Educational Community)」をスタート。国立高専で初めて「情報セキュリティコース」を設置した高知高専を中核拠点校とし、全高専生を対象としてスキル向上に力を入れ始めた。

トップ人材だけではない、「全高専生」が対象

「企業からは、24時間体制でサーバー攻撃を監視するセキュリティオペレーションセンターで仕事ができる人、フォレンジック調査ができる人、工場のOTを守れる人などを求める声が多い」と、高知工業高等専門学校教授の赤松重則氏は言う。

そうした社会のニーズに対応できるよう、毎年卒業生約1万人のうち、高度な技術を有する「トップオブトップス人材」を1%(100人)、情報系の「トップ人材」を20%(2000人)育成し、さらに全高専生が「プラスセキュリティ人材」として育つことを目指している。こうした育成イメージの下、さまざまな取り組みを展開してきたという。

高専サイバー人材育成イメージ
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