日本の「ホワイトハッカー」育成に不可欠な視点 学ぶ場の充実により年々レベルは向上している
サイバーセキュリティ対策が喫緊の課題となっている中、ホワイトハッカーの育成も急務となっている。
ホワイトハッカーは、ブラックハッカーと呼ばれる悪意のあるハッカーとは対照的に、倫理的なハッキング手法を用い、事前に組織の許可を得たうえでセキュリティの診断テストを行う、いわゆる正義のハッカーだ。
その実力を測るためのCTF(Capture The Flag)という競技大会が世界各国で開催されている。これまで筆者は、日本で最大規模といわれるCTF「SECCON」の初代実行委員長として大会を開催し、ホワイトハッカーのトップ人材の育成に携わってきた。
SECCONの国際大会を始めた頃は、アメリカや韓国のチームが圧勝することが多かったが、世界80カ国から1407チームが予選に参加した2018年大会では、東京大学の学生チーム「TSG」が日本として初優勝を飾った。その翌年も東京工業大学の学生チーム「NaruseJun」が優勝し、日本も健闘するようになってきている。
企業も熱視線「セキュリティ・キャンプ」
このように、日本のホワイトハッカーのレベルは年々高くなっているが、どのような人材育成が奏功しているのか。日本の主な育成の場を紹介しながら、今後の課題や育成のあり方について考えたい。
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