集英社のゲームがネットの波に乗り異例のヒット 目を引くビジュアルがバズを呼ぶが、極端な物言いも…

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『都市伝説解体センター』はインターネットと切っても切れない縁を持つゲームであり、当然ながら上記のような流れもくんでいる。本作は宣伝を成功させた結果として、そのインターネットらしい支持を得たと筆者は見ている。

ファンベースで盛り上がっていくインターネットの流儀

本作を楽しんで支持する人たちもまたSNSなどで絶賛を書き込んでファンベースで盛り上がっていく。なぜならそれがインターネットの流儀だからであり、本作がそれをしやすいような作りになっているからだ。多くの人がインターネットの流れに乗ってそう書くことによって、お互いにエンゲージメントを高めていけるのだろう。

しかし、作品が広まれば広まるほど本来のファン層でない人にも届いていくし、物語のあらに気づく人や、インターネットの流れの外にいる人にも届くようになる。また、強く褒める表現が逆に欠点を浮き彫りにしてしまうこともある。

そこからは作品の実力が試されるところとなるわけだが、受け取られ方はすでに書いたとおりである。宣伝がうまくいった結果として、反感も買ってしまったのだろう。『都市伝説解体センター』はインターネットの流れをうまく利用したと同時に、その流れにのまれてもいるのではないだろうか。

こういうケースを見ると「最初から、適度に長所を捉えつつ短所をきちんと書くような意見が支持を得られればよいのでは?」と毎回思うのだが、そうもいかないのである。なぜなら、そういう話はインターネットではエンゲージメントを稼ぎづらく無視されるからだ。エンゲージメントを重視して大げさな物言いが行われ、重要な細部は無視され、極端に触れて揺り戻す行為は、ずっと続くものと思われる。

良くも悪くも、『都市伝説解体センター』はインターネットを体現しているようなゲームといえるのではないだろうか。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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